エロバナ~エロいお話し~

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盗撮された裸の写真が原因で私の人生は・・・

私立〇〇高校、三年二組の教室。

一日の最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると、優香は教科書を鞄にしまい、帰る仕度に取り掛かった。が、そのときふと鞄の中を覗くと、そこに一枚の見知らぬ写真が入っていることに気がついた。

(なんだろう…)

不思議に思い写真を取り出した。そしてそこに写し出されているものを見た。

優香は愕然とした。

(な、なによこれ!)

それは自分の裸の写った写真だった。場所は自宅の風呂場——つまりシャワーを浴びる直前の全裸を撮ったものだった。
かなり近くから、おそらく窓の隙間から撮ったものらしく、自分のDカップの胸や乳首、薄いアンダーヘヤーにいたるまで、細かいところまではっきりと見て取れる。

(なに、どういうこと…)

当然のことだが優香には訳がわからなかった。どうして自分の裸が、写真に撮られて、しかもその写真が自分のカバンに入っているのか? 優香は顔を上げると、それからさっと無意識に教室中を見回した。周囲のクラスメートたちはいつものように帰り仕度をしながら授業の終わった後の解放感から友人同士ざわざわ陽気に話し合っている。優香はその中に自分を見つめている視線はないかと探したが、誰も彼女の様子を窺っている者はなさそうだった。

「優香、どうしたの?」
「え?」

優香は突然話し掛けられてびっくりした。声を掛けたのは香織だった。優香の部活の仲間で、また彼女の一番の親友でもあった。

「さっきからなにぼーっとしてんのよ?」
「え…いや、ううん、べつに」

そしてすかさず写真をカバンの中に隠した。

————————————————————————

優香の携帯にメールがあったのはその夜、彼女がもう帰宅した後のことだった。差出人不明のメール… メールにはこう書かれていた。

「以下の命令を明日実行してこなかった場合、例の写真をビラにして、学校中に貼り付ける。」

優香は読みながら自分の手が震えていくのを感じた。

「命令。明日あなたは学校に、スカートを下着の見えないぎりぎりの短さに詰めて登校すること。最低股下5cm。スカートの中にジャージ等の着用は不可とする。またもし学校を休んだ場合、その場合も命令に従わなかったものとして同様の罰をあなたに下す。なおこのことを誰か他人に、特に警察に喋ったら、写真は学校ばかりか町中にばらまかれるものと覚悟すること。」

そして添付された画像を見ると、そこには先程彼女を震え上がらせた、例の全裸の写真がそっくり映し出されていた。

それを見た優香は気が遠くなった。

優香の転落の始まりはこういう次第だった。

翌朝、学校の門を通った優香は普段より短いスカートを穿いていた。しかしそれは命令に規定されていた股下5cmには遠く及ばない、せいぜい膝上15cmといったところのものだった。優香としてはこれが限界だった。いつも膝丈のスカートを真面目に穿いている優香にとっては、膝上15cmの、これでも充分恥ずかしいものだった。

命令を完全に無視したのではない。とにかく短くはしてきたのだ。だからこれで何とか妥協してもらえると思った。また、犯人が誰かわからないが、写真を貼るとかばらまくとか、そんなことができるはずはない、単なる冗談に過ぎないだろうと甘く考えてもいた。

教室に入った。
優香はほら自分の考えた通りだと思った。どこにも写真は貼られていない。クラスメートたちの様子にも特に変わった点は見られない。ただ仲のいい何人かの女子が「スカート短くしたんだ、かわいいね」などと言ってくるだけだった。

そして授業が始まり、何事もなく、昼が過ぎた。やっぱり思った通り、単なる冗談だったんだと優香はもう信じ始めていた。

しかし最後の数学の授業中、何か男子の間でやり取りしている様子があって、やがて一人が「誰だこれ、うちの学校の女子じゃねえか?」と言うのが優香に聞こえた。
優香はハッとした。そして男子の中だけで回っていたその紙切れのようなものが近くに来たとき、さっと取り上げた。

「うるさくて授業に集中できない」

と言って彼女は奪い取った紙を見た。しかしそれを見た優香は途端に言葉を失った。

それはA4サイズの紙に拡大された、紛れもない昨日の例の裸の写真だった。目のところに黒い横線が施されてはいたが、顔の輪郭や髪型から、自分でなくともわかってしまいそうな、田辺優香の全裸姿だった。

「なにそんなに怒ってるんだよ」
「別に怒ってなんか……ただうるさくて授業に集中できな……」
「もしかしてそれお前の裸だったりして……いや、待てよ、たしかにちょっと似ていたような。おい田辺それもう一回見せてみろよ」
「いやよ。だいたいそんなわけないじゃない」
「いいから見せろよ」
「いやっ!」
「おいそこ、静かにしろ、うるさいぞ」

とそのとき壇上の教師がそう注意したので写真は再び男子たちの手に渡らずに済んだ。優香はすぐさま紙を折り畳んで自分のポケットにしまってほっとした。しかしほっとしたと同時に、優香は、もうこれは単なる冗談なんかじゃない、本気の脅迫なんだと悟るのだった。

するとその5分後さっそくメールが送られてきた。

「もしまた命令を無視したら次は目隠しなしで学校中に公開する。放課後掃除が終わったらすぐに実験室に来るように。」

メールを読み終えた優香の顔は青ざめていた。

放課後の実験室はひっそりしていた。実験室は校舎の外れに位置しているため授業以外に生徒はほとんど立ち寄らないからだった。

優香は入るとまず部屋の中を見回した。が、予想に反してそこには誰もいなかった。ただ窓際のテーブルの上には明らかに不審な紙袋が一つ置いてあった。

万がいち人が通っても見えないようにとドアを閉めた。と、それとまったく同じタイミングで彼女の携帯が震えた。メールが来ていた。

「ではまず、紙袋の置いてあるテーブルの前に立て」

優香がその通りにすると、すぐ次のメールが送られてきた。

「では次に、その場でスカートを脱げ」

「そ、そんな…」優香は思わず声を発した。「そんなこと、できるわけない…」

すると即座にメールが届いた。

「今から一分以内にできなければ、写真を校門に貼り付ける。」

優香は窓の外を見た。校門は今彼女の立っている窓際の位置からよく見える場所にあった。下校中の生徒たちがまだ何人も、それこそ無数に、そこを通っていた。もし命令通りにしなかったら、自分の裸の写真があそこに貼り出され、何十人もの人間に(その中には自分の知り合いだっているかもしれない)写真を見られてしまうのだ。そう思うと躊躇している暇はなかった。もうメールを読んで考えているうちに三十秒以上は経過していた。

「もう従うしかないのね」
そう考えて優香はスカートに手をかけたがなかなか決心がつかなかった。実験室だからといって誰も来ないとは限らない。もし自分が下着姿でいるところへ誰かが入ってきたりなんかしたら、一体何と説明すればいいのだろう。

こうためらっているうちに五十秒が経過した。優香はまだスカートに手をかけたままどうしようかと迷っていた。

するとそのとき、校門の前に突然、大きなポスターを手にした人間が現れて立った。遠くてその顔はよく見えず、また学校のジャージを着ているのでここの生徒であるらしいことはわかったが男女の見分けはつかなかった。しかし正体はわからないがその目的は、優香には一目瞭然だった。生徒はもう今にもポスターを広げようとしている。

「いやッ!」

優香は悲鳴を上げ、もう考える余裕もなく、ほとんど反射的にホックを外して…そしてとうとうスカートを、腰から床へすとんと落とした。

短いセーラー服の裾は彼女の白い下着を隠してはくれなかった。夏の夕暮れの日差しが剥き出しのパンティーと太腿を赤く照らした。

「いやッ!」

我に返った優香はたちまち自分の状態の不自然さを理解して恥ずかしくなったが、もはや床に落ちたスカートを自分で拾うことはできないことだった。

校門の前に立ってポスターを持っていた生徒の姿はいつの間にか消え去っていた。
スカートを脱ぎ、下半身下着姿になった優香は、そのとき自分の携帯が震え出したのを見て跳び上がらんばかりに驚いた。

「ぎりぎり間に合ったね」

とメールには書かれていた。

「でも次からはもう考えている時間はないよ。メールを読んだらすぐ行動しないと、今のように校門に貼り出すから、そのつもりで。では、次の命令。それは今あなたの前に置いてある紙袋を持って、すぐ隣の女子トイレに向かうこと。ただそれだけのこと。簡単だろ? ただその際、脱いだスカートはその場に置いていくこと。ではこれも一分以内。始め」


(そんな、このままの格好でなんて、そんなこと……)

そんなこと、優香にはできるはずがなかった。が、今はもう迷っている暇はなかった。やるしか他に道は残されていないのだ。

実験室のドアを開け、外の廊下に出ると、そこのひんやりした空気が、優香のあらわな太腿と下着だけの股間を冷たく撫で付けた。廊下はひっそりしていた。どこからも足音は聞こえてこなかった。しかしいつ人が現れてもおかしくなかった。もし今のこんな状態の自分に出くわしたら、その人は私をきっと変態と思うだろう。そうなればもう一巻の終わりだ。

トイレまではほんの数メートルしかなかったが、そこまで走っていく時間が優香には非常な長さに感じられた。

トイレの個室に入り鍵を閉めるとすぐまたメールが届いた。

「今度は早かったじゃないか。だんだんお利口さんになってきたね。逆らってもしょうがないことがようやくわかってきたかな。じゃあ、いよいよ最後だ。といっても最後のは、別に命令でもなんでもないから、優香さん、あなたのご自由に。今あなたの持っているその紙袋の中のものを着ること、それだけのこと。」

優香はすぐさま紙袋の中を見た。高校の制服のスカートだった。彼女は一瞬ほっとしたが、続いてそれを手に取ってみて唖然とした。それは、制服のスカート、といっても見るからに短い、陸上のショートパンツほどの丈しかないスカートだったからである。

(なにこれ…こんな短いスカートを穿けっていうの?)

とはいえ、スカートもなにもないパンティーだけの今の状態よりは遥かにマシだった。こんないやらしい短いスカートでさえ今の自分にとっては頼りになるのだ。そう思うと優香はなおさら現在の自分の惨めさを痛感せざるをえなかった。そしてそうした屈辱的な思いを抱きつつ、彼女はみずからその卑猥な短いスカートに足を通した。

が、実際に穿いてみて、それは予想以上のいやらしさだった。なぜならそのスカートはかろうじて股に届くほどの丈しかなかったからである。ほんのちょっと屈んだり、伸びをしただけですぐパンツが見えてしまうのは確実だった。足に纏わり付くスカートの感じがまったくない。というよりまるで何も穿いていないような感じさえするのだった。

(なによこれ、いやらしい! こんなの穿いてたら下着がまる見えになっちゃうじゃない。まるで変態……頭のおかしな人の穿くものよ)

そう思った優香は実験室に戻ってすぐ元のスカートに穿き変えようと思った。もう命令は終わったのだ、あとは自分の自由にしていいとメールには書いてあった。

しかし実験室に戻った優香はそこでたちまち絶望のどん底へ突き落とされた。

「う、うそでしょ…」

スカートが見当たらないのだった。床にも、テーブルにも、どこにも……。代わりにテーブルの上に手紙を一枚見つけただけだった。手紙にはこう書かれていた。

「優香ちゃんへ。今日のところはこれで勘弁してあげる。だから後はご自由に。そのかわいいスカートを穿いて帰るのもよし、嫌ならパンツだけで帰るのもよし。あ、露出狂の優香ちゃんのことだから、パンツだけの方がいいかな。もしそれでも物足りなかったらパンツも脱いじゃっていいからね。お○んこ丸出しで帰ってもいいんだよ。でもスカート買い替えたり、下に何か着たりするのは駄目だよ。そうしたら写真はばらまくよ。あと今日の一部始終はちゃんとカメラで撮ったから、公開すれば優香ちゃんの変態ぶりがみんなにばれちゃうね。だからお前はこれから卒業まで毎日その短いスカートで、ケツ丸出しで過ごすんだよ。一日でも休んだりしたら、卒業はおろか、この国で生きられないようにしてやるからな」

優香はその場に膝からくずおれて、座っただけで見えてしまう、真っ白な下着の尻をもはや隠そうともしなかった。

スカートを奪い去られたあの瞬間から、優香の人生は180度変わってしまった。

翌朝、扉を開けて家を出た優香は、玄関の門のところで立ち止まり、憂鬱そうに溜息を吐いた。季節は初夏だった。通りへ出ると初夏の爽やかな風が彼女の高校の制服のスカートを揺らした。

「いやっ!」

股下5センチほどの、短すぎるスカートがめくれると、白いパンティーがあらわになった。

(こんなのやっぱり無理……)

優香は自分のスカートを見下ろした。これでは風が吹かなくても、ちょっと屈んだり背伸びをしただけで下着が見えてしまう。学校を休もうかと思ったが、そんなことをする勇気は彼女にはなかった。もし命令を無視してそんなことをしたら、それこそ自分の人生は台なしになってしまう。つまり、あの彼女の裸の写った写真を学校中にばらまかれてしまうのだ。だから、写真の公開はなんとしても防がなければならず、そのためには、メールの命令に従うしかなかった。

再び下を見下ろすと、むき出しになった自分の白い太股が、ほとんど足の付け根まで露出して、風が直接下着の股間を撫でるように通ってひんやりとした。

「他に道はないのね」

優香は決心して歩き出した。が、この短すぎるスカートでは、スカートを穿いているという感覚がなく、まるで下半身裸の状態でいるような気分だった。

人通りの多い道へ出ると、さっそく人々の好奇の視線が彼女の短すぎるスカートに集まった。サラリーマンやOL、優香と同じ年頃の男女の学生、信号に停止中の車の運転手まで、彼女のあらわな太股を見ない者はなかった。男は半分にやけたいやらしい目つきで、逆に女は蔑みの冷たい眼差しで。駅の階段を上るとき、カバンでお尻を隠していたら、後ろにいた別の学校の女子高生二人組が、彼女に聞こえよがしの声で話し出した。

「あそこまで短いスカート穿いておいて何隠してんのよ」
「ホントはパンツ見て欲しくてしょうがないくせに」
「あんたの汚いパンツなんか誰も見たくないんだよ。この変態女」
「ていうか白いパンツ見えてるし」

優香は顔を真っ赤にしながら階段を上って行った。

「恥ずかしがるくらいなら最初から穿くなよ」
「ああいう顔だけ真面目ぶってる女が一番むかつくんだよね」

ホームで電車を待っている間も、電車の中でも、優香は周囲の注目を浴び続けた。不良少女でも穿かないほど短いスカートを穿いているのに、その穿いている本人の顔は、運動部系の明るいしっかりしていそうなタイプの女子高生であるというギャップがさらに人々の関心を引き付けるのだった。

電車の中で、吊り革につかまって立っていると、目の前の座席に座っていた若いOLが、あるとき優香の顔を見上げ、睨みつけると言った。

「あの、気付いてるんならいいんですけど、ここに座ってると見えるんですよ、あなたの白い下着が。正直言って、朝っぱらから迷惑なんで、そんなに見せたいんなら誰か見てくれる男の人の前に行ってもらえませんか」

他の乗客にも聞こえる声の大きさだったので、周りにいた人間がそのとき一斉に振り向いて笑った。死ぬほど恥ずかしかったが優香はそのOLに頭を下げて謝り(謝って頭を下げると後ろから彼女のパンツが丸見えになった)、ドアの近くに場所を移して、それ以降ずっと俯いたまま泣きそうな顔をして、優香は自分を見つめる人々の冷たい視線に耐えていた。

教室へ入るとクラス中の視線が一斉に優香に集まった。ついこの間まで真面目な膝丈のスカートだったはずの田辺優香が、突然股下5cmの短すぎるスカートを穿いて現れたので驚くのも無理はなかった。

「おい、見ろよあれ」
「パンツ見えるんじゃないか」
「田辺さんって真面目ぶってて実は結構エッチだったりしてね」
「あたしには絶対無理だわ。あんなの穿くくらいだったら死んだ方がましよ」
「ちょっとかわいいからって調子に乗ってるのよ」

クラスメートにじろじろ自分のあらわな太股を見つめられて、優香は死ぬほど恥ずかしかった。が、脅迫されていることは秘密にしておかなければならなかった。

席へ着くとさっそく親友の香織が優香のもとへやってきた。

「ねえ、みんな優香のこと噂してるよ。そのスカート、どうしたの?」

親友の香織といえども、ここは本当のことを話してはならなかった。優香はいつもの明るさを装った。

「スカート? う、うん、ちょっと気分転換に…」
「いくらなんでも短すぎじゃない?」
「自分でも失敗したなって思ったんだけど、別のスカート持ってなかったから、それで……」
「あたし予備のスカート持ってきてるから、貸してあげようか?」
「い、いや……大丈夫、気にしないで」
「そう、でも……」

でも、椅子に座っているだけでスカートの後ろがずり上がり、パンツが見えているのだと香織は言いたかったのだが、さすがにそこまでは言えなかった。

「優香、昨日から何か変だよ。部活にも最近来ないし」
「ううん、大丈夫。何も変なことなんかないよ。今日は部活にもちゃんと出るから」
「そう、ならいいけど…」

そのときチャイムが鳴ったので、話はそれきりで香織は自分の席へ戻っていった。

それは最初考えていた以上の屈辱だった。最初は、そう、椅子に座ってじっとしていればどうにか耐えられると思っていた。しかしそれが間違っていた。椅子に腰掛けるだけでもうその短すぎるスカートは下着を隠すだけの長さを欠いてしまうので、授業中、優香は常に下着を晒していなければならなかった。

「おい見ろよ、あいつパンツ見えてるぞ」
「ホントか。お、白だ。田辺の白いパンティーだ」
「あれ絶対わざとよね。男子に見えるようにわざとしてるのよ」
「同じ女として最低ね。真面目そうな顔してきっと言われれば誰とでもエッチしちゃうのよ。あんた後でやらしてもらえば?」
「ば、ばかなこと言うなよ」

そんな囁き声が後ろから聞こえるのだった。優香は恥ずかしくて授業どころではなかった。だから教師に指されたとき質問を聞いていなかった。

「答えがわからないならまだしも、聞いていなかっただと?」と言ってその教師は優香のスカートをちらと見た。「たるんでる証拠だ。罰としてそのまま立ってろ!」

優香は自分に否があるのでおとなしく従おうとした。しかしそのとき彼女の真後ろの席の男子が言った。

「先生ぇ。前に立たれると黒板が見えないんですけど」
「ん、そうか?」
「はい、田辺さんのお尻しか見えません」

教室中にクスクス笑う声が広がった。

「じゃあ、前に出て…」
「でも前に立たれると気が散って今度はみんなが迷惑すると思います」
「じゃあ、どうしようか…」

するとその男子は意地悪く笑った。

「机の上だったら、大丈夫だと思います」

誰もが耳を疑った。とりわけ優香は、それまで恥ずかしそうに俯いていた顔を思わず上げた。

「机の上に立つんだったら、黒板も見えるし、みんなの気も散らないと思います」

優香は振り返って言った。「そ、それじゃ…」

「お前は黙ってろ!」という教師の怒鳴り声。「お前に決める権利はない!」そしてにやりと笑った。「先生は別にどちらでも構わん。みんなが授業に集中できるならそれでいい……どうだ?」と言って教室中を見回した。「反対のやつはいるか?」

何人かの生徒が同情まじりの顔をしていたが、誰からも何の答えもなかった。というのも男子は当然、学校一の美人の呼び声高い優香の恥ずかしい姿を見たかったわけだし、仲の良かった女子たちも、日頃の嫉妬と今日の優香の短いスカートに対する同性としての反感から、少し懲らしめてやりたいという気持ちが働いていたからだった。

「じゃあ、みんな賛成のようだから、田辺、机に上がりなさい」
「そ、そんな…」
「早くしろ。授業を遅らせる気か。もし従わないなら、質問を聞かないうえ、授業の妨害をするということで成績はないものと思え。そんなやつに試験は受けさせられない」

優香はそれでもまだためらっていた。その間にも時間は流れていく。

と、そこへ彼女の携帯にメールが入った。彼女は机の下で即座に読んだ。開いて見るまでもなかった。教師の言うことに従えという命令だった。

もう逃げ道はないと優香は悟った。


優香はゆっくりと、まず右足を椅子の上にのせた。前後から手でスカートを押さえて下着が見えないようにしていたが、股下5cmの短すぎるスカートでは下着の股間とお尻を隠せようはずがなかった。

「白いパンツみーえた」

と一人の男子が言った。
「きゃあ!」
「おいうるさいぞ。黙って早く上れ。そんな短いスカート穿いてる方が悪いんだ。校則には長さの規定はないが、風紀を乱すような服装は認めておらんぞ。これ以上もたもたしてるとスカート没収するぞ…」

優香はそれでしかたなく、左足も乗せて完全に椅子の上に立った。するともうそれだけで彼女の白いパンティーが、はっきり誰の目にも見えるようになるのだった。

「おぉ! もうパンツ丸見えだな」
「前からだと股間も見えるぜ」
「その黒いのは毛か? 毛が透けて見えるぜ」

優香は恥ずかしさに生きた心地もしなかったが、まだそれで終わりではなかった。これよりもっと高い机に上がらなければならないのだった。

————————————————————————

数分後、三年二組の教室で、クラス1の美人で成績も優秀な女子生徒、田辺優香が机の上に立っていた。邪魔にならないよう足は机の両端一杯に広げられ、左手に教科書、右手にペンを持っている。時折開け放した窓から風が入って彼女のスカートをめくったが、押さえることは許されていなかった。教室のどの位置にいても彼女の真っ白なパンティーを見ることができた。ある者は毛が黒く透けて見えると言い、またある者は股間がうっすら湿って染みになっていると言ったが、真偽のほどは定かでない。授業の残りの約十五分間、彼女はその姿勢のままずっと立っていたが、そのあいだ常に男子のなめ回すような視線が自分の股間に向けられているのを我慢していなければならなかった。

終了のチャイムが鳴って降りていいと言われると、目に涙を溜めた優香はすぐさま教室を出てトイレへ走った。五分後戻ってきたとき彼女の目は真っ赤になっていた。

(いい気味ね)
(調子に乗ってるからこうなるのよ)
(ああ見えて案外楽しんでたんじゃない)
(今度話してやらしてもらおうかな)

などとクラスメートは優香のことをそれぞれ考えていた。それは成績優秀、明るく美人でクラスの人気者だった優香のそれまでのイメージが崩れ落ちた瞬間だった。そしてたちまち、男の欲望と女の嫉妬が、いまや地に堕ちた優香に向かって牙を剥き始めるのだった。

それから一週間が経過した。

優香は一日も休まず、あの股下5cmのスカートをはいて学校に通い続けた。

その頃にはもう登校中に行き会う人々やクラスメートたちは優香のパンツを見ることに慣れっこになってしまった。いつも同じ電車に乗り合わせるサラリーマンやOLは、

(お、今日もまた白いパンツか)
(でも昨日のとちょっと形が違うな)
(よくもまあ毎日毎日、パンツ丸出しで平気で過ごせるものだわ)
(みんなに見られてさぞ嬉しいでしょうよ)

などと優香のパンツを見て思い、それはいつしか朝の日常的風景と化していった。

優香のクラスメートたちももう彼女のパンチラならぬパンモロには慣れっこになってしまって、男子たちは優香のパンツを見ただけではもう誰も興奮しなくなっていった。

「なんだまた白かよ」
「たまには赤とか黒とか違う色のパンツはいてこいよな、つまんねえの」
「そんなにケツ見せたいならもっとエロいパンツはいてくればいいのに、Tバックとか…」

そして女子たちも、もう露骨な陰口を言ったりはしなくなったが、それは、話題にするのも汚らわしいといった優香に対する軽蔑の気持ちからだった。誰ももう優香のことを以前の真面目な優等生だと思っていなかった。今ではただ顔だけ真面目ぶった、露出狂の、変態女としか思わなくなっていた。

そして男子も女子も、いつしか物足りない気持ちになっていった。男子は優香のもっとエッチな姿を見たいと思い、女子はいつかこてんぱんに懲らしめてやりたいと、だんだんと思うようになっていった。

だが優香の方には、この一週間、新たな脅迫のメールは送られてこなかった。といってももう今のこのままの状態で充分優香にとっては死ぬほど恥ずかしいことだったが。以前は縞模様の下着や水色の下着など、割と明るい色の下着を好んで穿いた優香だったが、今ではもういつでも誰からでも自分の下着が見えることがわかっていたので、目立たない地味な白い下着しか穿けなかった。

そして何よりつらいのは以前は仲の良かったクラスの女子たちが目に見えて自分を避けていることだった。親友の香織でさえ、話し掛ければ答えはしたが、その様子はどこかよそよそしく、もう以前のように気軽に話をするようなことはなくなった。


その一週間後の体育のときだった。

授業が始まる十分前。更衣室に女子たちがぞろぞろと入りこみ、体操着に着替え始めた。優香もいつもの通りカバンから体操着を取り出して、着替えようとしたが、両手にシャツを広げて不思議に思った。

「どうしたの?」とすぐ隣にいた香織が聞いた。
「あれ、私のシャツこんなに小さかったっけなあ」と首を傾げた優香は言った。
「気のせいじゃない?」
「そうかなぁ…」
「きっと洗濯して縮んじゃったんだよ」

優香もやがて気のせいか、と思い、とりあえずシャツを着てみることにした。しかし着終えると、驚きの声を上げた。

「ほら、やっぱりこれ、小さいよ!」

たしかにそれは変だった。優香がいつも着ている白い半袖のTシャツより明らかに小さかった。脇の辺りが窮屈で、胸も、バスト84センチの彼女にはかなりきつく、いつもだったら谷間の辺りに少し余裕が出来るはずなのに、今はピンと伸び切って、布が張り裂けんばかりになっている。しかもただでさえ生地が薄く、ブラジャーが透けやすいシャツなのが、今はさらに生地が伸びて薄くなり、体を反っているわけでもないのに、ブラジャーの色はおろか、形、模様までがはっきりと透けて見えていた。

「うそ! ちょっとこれ、え、なんで! 誰か別の人のを持ってきちゃったのかなぁ」
「いや、そんなことないよ。だって、ほら、ちゃんと名札ついてるから」

と言って香織が指さしたシャツの胸には、たしかに自分の筆跡で「田辺」と書かれた名札があった。それを見たら優香も納得せざるを得なかった。

「やっぱり気のせいだよ。それとも優香、少し太ったんじゃない?」

そう言う香織の冗談を、優香は引き攣った微笑で聞き流した。どこをどう見てもやっぱり小さい。胸の名札は小さすぎて透けたブラジャーを隠してはくれなかった。

「ねえ、そんなことより、早くしないともう時間ないよ」

更衣室の時計では授業開始三分前だった。だがこんなところの時計の示す時刻なんて当てにならない。もういつチャイムが鳴ってもおかしくない。生徒はチャイムが鳴るまでにはきちんと整列していなければならず、遅れるとひどく怒られ、厳しく罰せられるのだ。

「うん、ごめんね。すぐ着替えるから」

もう迷っている暇などなかった。優香はスカートをさっと脱ぎ、下着姿になった。小さめの白のパンティー。そしてカバンから紺のブルマーを取って足に通した。と、すぐにまた違和感があった。

「うそでしょ…」そう呟いた優香の声は震えていた。シャツに続いて、ブルマーまでもが、小さすぎた。それは優香が普段穿いているものより明らかにワンサイズ以上小さかった。しかもその普段のブルマーでさえ入学当時に買ったもので、三年になった彼女には小さくなってきていたというのに、しかし今彼女が穿いたそれは、小さくなってきたどころの話ではなく、明らかに中学生、いや小学校の高学年用のものである。だから当然、高校三年、もう二十歳と思われてもおかしくない彼女の発達したお尻にはキツすぎた。柔らかいお尻の肉が、指で摘めるほどはみ出してしまっている。

「ねえ、本当にいい加減にしてよ。もうチャイム鳴っちゃうよ」

香織も異変に気付いたのだが、それよりも遅れて罰を受けるのが嫌だったのである。

「でも、こんなんじゃ、行けない!」

優香は泣き顔になって言った。今日は女子だけの体育の授業でない。男子と合同の授業だったのだ。こんな格好をして行けば、男子たちからだけでなく、女子たちの注目の的にもなり、わざと小さめの体操着を着て男子の注目を集めようとしていると思われてしまうかもしれない。なぜなら昨日も体育の授業があって、そのときは普通の体操着を着ていたのが、どうして一日経って突然こんな小さな体操着を着てくるのか、他に理由が見つからないからだ。ブルマーは学校の校章の入った特別なものだから、小学生のときに穿いていたブルマーを間違えて持ってきてしまった、などという理由は通用しない。

「ほら、早く! たぶんもうあと一分もないよ」

香織は本気であせり出した。そして、

「もう、遅れても知らないからね」

と言い残して立ち去ってしまった。


優香は更衣室を出て、鍵を掛けると、廊下を急いで走り出した。走るとただでさえはみ出してしまっているお尻の肉が、さらにはみ出る。Tバック気味に食い込んだブルマーがさらにきつく食い込み、鋭角に尻の奥へと吸い込まれる。大きな乳房を包み込んだシャツがはち切れんばかりに張って、上下左右に柔らかく揺れる。

もう迷っている時間はなかった。授業に遅刻などすれば、どんな罰が待っているかわからない。

「あと十メートル… あと五メートル…」

もうあとほんの数歩で体育館へ到着するところだった。チャイムはまだ鳴っていない。とにかく間に合ったと思いホッとしたところで、後ろから突然優香を呼び止める声がした。

「おい、ちょっと待て!」

体育教師の田崎だった。優香は心臓を飛び出るほど驚き、立ち止まった。

「こっちへ来い!」

という田崎の声に、優香はおとなしく従った。田崎はもう五十に近い年で、頭は禿げていて、体も腹が出て醜かった。近寄ると変な臭いがすると生徒たちに噂されていた。田崎は目の前に立った優香の体を上下見回していた。優香は恥ずかしさに顔を真っ赤にした。

田崎が言った。

「ほれ、シャツをきちんとしまえ」

優香は、なんだそっちのことかと思ってほっとした。小さすぎる体操着のことを注意されるのかと思っていたのだった。で、優香は言われた通りにシャツをブルマーの中に入れようとした。だが、ここで困ったことがあるのに気がついた。
シャツの丈が短すぎるのと、また同じくブルマーの丈も短く腰の低いところではかざるを得ないということで、シャツの裾がブルマーに届かないのだった。優香はシャツの裾を引き伸ばして何とかブルマーのウエストに入れようとしたが、シャツの生地の伸縮性のせいで、入れたと思ってもまたすぐに戻ってしまう。

「どうした? 早くしろ!」

と田崎が急かす。その声を聞いたのか、体育館の中の生徒たちの顔が一斉に振り向き、扉の向こうにいる優香と田崎の様子を窺い出した。

「おい、何もたもたしてるんだ!」

徐々に苛立ってきた様子の田崎の口調に、優香は恥ずかしそうに俯いていたが、やがて消え入るような声で言った。

「あの、シャツが…小さくて…入らないんです」

すると田崎は優香の腰をまじまじと見つめた。たしかにシャツの丈が短くて腹が少し見えそうになっている。明らかに小さい、と田崎は思った。それに穿いているブルマーも、普通以上にハイレグの鋭さを増して、股間が窮屈に締め付けられている。いかにも卑猥な格好だった。シャツも午後の日差しにいっそう透かされて、ブラジャーの輪郭がはっきりわかる。田崎はしばらく考え込んだ。そしてその間に授業開始のチャイムが鳴った。体育館にいる生徒たちは、男子も女子も、みんな様子を窺っていた。やがてようやく田崎が口を開いた。

「だが、規則は規則だ。体育の授業を受けるときはシャツを入れないといけないことになっていること知ってるな?」

田崎は典型的な石頭だった。決められたルール以外のことは理解できない、いや、しようとしない。

「はい…」と優香が小さく答える。
「だったら規則には従わなくてはいけない。でないとお前一人のわがままでみんなが迷惑することになるんだ」

そう言って田崎は腕時計を見た。

「現に今も、お前一人のせいで授業が三分も潰れている」
「でも…」

でも無理なものは無理だと、そう優香は言おうとしたが、そのとき、それを遮って発した田崎の言葉は衝撃的なものだった。

「なに、簡単なことじゃないか。シャツが短くて入らないなら、ブルマーを引っ張り上げれば入るだろう」

本気か冗談か優香には理解できなかった。たしかに田崎の言う通りにすればシャツは中へ入るだろう。だがもしそんなことをすればブルマーはさらにハイレグの角度を増し、お尻はほとんど丸出しの状態になってしまう。優香はそれを想像するだけで恥ずかしくなり、顔だけでなく露出した白い太股まで真っ赤になった。

優香はとてもそんなことはできないと思い、俯いたままもじもじして黙っていた。しかしその様子が、田崎には反抗的な態度に見えたのだった。

「おい、お前俺の言うことが聞けないのか?」
「いいえ、でも…」

優香は震えていた。言葉が何も出なかった。その態度にとうとう田崎の勘忍袋の緒が切れた。

「じゃあ、仕方がない」と言い、突然両腕を優香の腰目掛けて伸ばしてきた。

「え、ちょっと、何するんですか!」
「自分ではできないらしいから、俺が手伝ってやる。指導の一貫だ」

そして両手でブルマーのウエストを掴んだ。一瞬のことで優香は抵抗できなかった。ブルマーを掴んだ田崎の両手がいきなり強く上へ持ち上げられた。

体育館の中でざわめきが起こった。突然外から「キァー!」という女の悲鳴が聞こえたからだった。その悲鳴によってそこにいる生徒のすべての視線が一斉に開け放たれた扉の奥に向けられた。

「あれ、優香じゃない?」とそこで始めて気付いた女子が言った。
「でも、なんか変じゃない? その…ブルマが」と別の女子が言った。
「お尻が丸出しだよ…あたし一瞬何にも穿いてないのかと思った…」


それは異様な光景だった。扉のすぐ外にこちらに背中を見せて立っている優香の姿があった。しかしそれはみんなが以前思い描いていた明るく清純な彼女のイメージとあまりにも掛け離れた姿だった。ボディラインのはっきりわかる、肌の色まで透けて見える体にぴったりした体操着のシャツを着て、小さすぎるブルマーをはいている。それはブルマーではなく黒いふんどしなのではないかと一瞬思わせるほど、彼女のお尻、というより尻の割れ目に食い込んで完全に尻の丸出しになったTバックになっていた。その大きな白いお尻が日差しを浴びている。日焼けした顔や腕に比べてそのお尻はいかにも白く、血の回りが良いのかほんのり赤みを帯びている。引き締まった足とは対象的に彼女のお尻は柔らかい肉がついていて、女性的に突き出ていた。それは見ていていかにも異様で、また卑猥だった。

ずっと前から見ていてその事情を知っているらしい一人の男子が説明した。

「なんか、小さすぎてシャツがブルマの中に入らないとか言って揉めてて、田崎が引っ張り上げて無理矢理入れさせて、今のあの状態になったらしいぜ」

それを聞いて女子たちの間にかわいそうという声がしばらく起こったが、やがて誰かが、

「でも、何でそもそもあんな小さい体操着きてきたんだろう?」

と言ったとき、するとそれまで囁かれていた同情の声が急になくなった。

沈黙がしばらく続いた後で、一人が「香織ちゃん、何か知ってる?」と聞いた。
香織は自分は知らないと答えるだけだったが、別の女子が「誰かに借りたやつなのかなあ」と言うのを聞くと「いや、ちゃんと名札に名前書いてあったから、自分のらしいよ」と断言した。

「じゃあ何でわざわざあんなちっちゃいの買ったんだろう?」
「さあ、でも急に小さいのが着たくなったんじゃない? ほら、特に今日は男子と一緒の授業だから……」とそのとき一人の女子が冗談ぽく言った。

すると今まで話していた声が一斉に静まり返った。

もうその言葉だけで充分だった。みんなの頭の中に、嘘のような優香の姿、つまり、男子に見せびらかすためにわざと小さな体操着を自分で買って、それを実際に着てくるというイメージが、いつしか本当らしく思えてきたからだった。

そして沈黙のうちにクラスメートたちの顔がみるみる変わっていく。さっきまでいくらか同情を込めて優香を眺めていた女子たちの眼差しが、徐々に、冷たい軽蔑の視線に変わっていくのだった。


優香と田崎が話しを終えて、体育館に入ってきたのは授業開始10分が過ぎた頃だった。優香は俯きながら田崎の後ろについて歩いて、生徒の列には加わらず、生徒の前に立った田崎の横に来て止まった。そのすぐ目の前の、最前列の男子は優香の姿を見てはっとなった。

ブルマーの中へ無理矢理押し込まれたシャツは、生地が伸びきって、白いブラジャーを鮮明に透かしている。また両端を高く引き上げられたブルマーは、デルタの縁にそって鋭角に切れ上がっていた。そのため、支えとなる股の部分に非常な圧力が加わり、恥丘の盛り上がりを際立たせて見せていた。そして、その真ん中に縦に走る一筋の線。その線が、彼女の女性器の位置をはっきりと示し、誇らしげに自己主張しているようだった。顔は俯いてしまっているのでよくわからなかったが、普段の明るくハキハキしたところは微塵もなくなっていて、反対に大人びたエロティックな雰囲気を漂わせていた。男子生徒の誰もが息を呑んで優香の胸の膨らみや股間や俯き加減の顔の表情を、つまり彼女の女性的なすべての個所にくぎづけになった。

やがて田崎が口を開いた。

「えーと、これから授業を始めるわけだが、その前に、今ちょっとした事故があって、開始からもう10分が過ぎている。それについて田辺から話しがあるらしいから聞いてくれ」

そう説明すると、田崎は横にいる優香の方をちらと見た。そして小声で、ほら、みんなに謝るんだ、と言ったのが静寂の中に響いた。

「あの…」とやがて優香が言った。が、そのとき田崎が怒鳴った。

「それは謝る態度じゃないだろ! ちゃんと気をつけをして、顔を上げて、みんなの方を見て謝るんだ」

優香は前で組んでいた手を外して、気をつけの姿勢を取った。太股の側面にきちんと掌を当てて、指の一本一本がぴんとまっすぐ伸びている。顔も上げて真正面を向いたが、視線は定まらず、誰とも目を合わせようとしなかった。

「よし、じゃあ始めろ」と田崎が言った。

「あの…今日は私のせいで大事な体育の授業を10分間も潰してしまいました。それというのも私がブルマーの中にシャツを入れなければいけないというこの学校の規則を守ろうとしなかったからです。でも、田崎先生の指導とシャツを入れるのを手伝っていただいたおかげで、私は心から反省し、シャツを入れることができました。ですから、授業を遅らせてしまったことについて、みなさんに謝りたいと思います」

そして優香は深々と頭を下げた。「すみませんでした」

「な、こう言ってるんだから、みんな彼女のことを許してあげろよ」

田崎は満足げに言った。そして、

「いいな、体育のときはシャツを入れる。こういうふうに」と言って優香の腰を示した。

「シャツが短くて入らないときは、ブルマーを引っ張り上げて入れるんだ」

そして今度は優香を後ろ向きにさせた。優香は逆らえず、黙って後ろ向きになって、気をつけの姿勢を崩さなかった。だがその顔は真っ赤になっている。背後から見ても首や耳が赤くなっているのは一目瞭然だった。

「な、後ろをこうやって」と田崎はTバックに尻に食い込んだ紐状になったブルマーを摘んで、引っ張りあげた。すると優香は尻に思わず力が入り、真っ白な柔らかい肉が固くなって盛り上がった。

「な、こうすれば、入れられる」

そして今度は、あろうことか、優香の尻を掌で軽くぴしゃりぴしゃりとたたき出した。彼女の柔らかいお尻の肉は叩かれるたびに細かく振動する。

「でも」と田崎は尻を叩きながら言った。それはむしろ叩くことよりも、その音をみんなに聞かせることを目的としているみたいだった。「でもな、そうなると俺がいま叩いてるのは足だ。(ぴちゃ、ぴちゃ)なぜなら女子生徒のはくブルマーというものは、尻と性器を隠すために着用するものだからだ。だから、それより下の部分は足、上は腹ということになるわけだ。だからいま俺が触っているのは足だ」

といって今度は叩くのを止め、尻をまともに触って揉み出した。

「お前、たしかテニス部のキャプテンなんだろ?」

優香は涙声で「はい」と答えるだけだった。

「だったら、ちょっと鍛えかたが足りないな。テニスは足を鍛えなきゃ強くならんぞ」

といってまたさらに激しく優香の尻を揉み回した。それを見ていた男子は全員、股間を固く膨らましていた。女子はまだいくらか同情の眼差しで優香を見ていたが、何人かは、実はあんなことをされて内心喜んでいるのではないかと、探るような目で見ていた。

「ほれ、足のマッサージだ。気持ちいいだろ?」

田崎は非常に満足げだった。優香は気持ちいいとも悪いとも答えなかった。ただ頭の中で、どうしてこんなことになってしまったのか、自分の行動のいったい何が間違っていたのかと考えるばかりだった。

しんと静まり返った体育館の中で、優香の尻を、揉んだりぴちゃぴちゃ叩いたりする、その音だけが、悲しく響き渡っていた。


体育の残りの時間、優香は罰としてウサギ跳びを命じられた。クラスメートが楽しくバスケをやっている回りを、一人お尻丸出しの状態でウサギ跳びをしなければならないのだった。ただでさえ食い込んでTバックになっていたブルマーは、ジャンプするごとにまた激しく食い込み、やがてブルマーから下着がはみ出てしまった。

「お~い田辺、ハミパンしてるぞ」

男子の一人が優香をからかう。

「きゃあ!」

そう叫んで優香はすぐ直そうとしたが、そのとき田崎がやって来て怒鳴った。

「誰が止まっていいと言った!」

そして四つん這いになった優香のはみ出た尻を手で思い切り叩いた。ぴしゃッ! という乾いた音が体育館中にこだました。

「休まないで続けろ…ん、いや、ちょっと待て。ほらまたシャツが出ているじゃないか!」

と言うと田崎は、四つん這いになった優香のブルマーを後ろから思い切り引っ張り上げた。それは一瞬優香の腰が宙に浮いてしまうほどの強さだった。

「うん、これでよし。では続けろ!」

そしてまた優香の尻をぴしゃりと叩いた。

優香は再びウサギ跳びを始めたが、その真っ白なお尻には真っ赤な掌の跡が残っていた。

「お~い優香、お前のケツ真っ赤だぞ」
「それにすげぇTバック…ケツの穴見えるんじゃないか」
「そんなに大股ひらいて跳んでたらアソコもはみ出しちゃうよ」

男子たちはバスケもそっちのけでウサギ跳びする優香のことをからかった。

女子は軽蔑の眼差しで優香を見ていたが、直接からかいはしなかった。その代わり、あるとき一人がわざとパスを逸らして、ちょうど優香がウサギ跳びをしている方向の、そのもっと向こうにボールを転がした。

「優香ちゃん、ごめん、ボール取ってくれない?」
「え?」
「優香ちゃんが一番近いでしょ。一番近い人がボール取りに行くのが常識でしょ」
「う、うん…わかった」

そこで優香は立ち上がってボールを取りに行こうとしたが、そのときまた田崎が怒鳴った。

「誰が歩いていいと言った! 授業が終わるまでウサギ跳びをやめるな!」

だから優香はウサギ跳びをして、体育館の隅に転がったボールを取りにいった。
そして近づきもせずコートの中に立って待っている女子の群れの前に行ってボールを渡した。しゃがんだままの状態で、立っているクラスメートの女子にボールを渡さなければならないのは屈辱的だった。

「ありがと」

ボールを受け取った女子は冷たく優香を見下ろしながらそっけなく言った。

そんなことが何度も繰り返された。

やがて男子の方でも真似をしだしてわざとパスを逸らせて優香に取りに行かせた。そうすることで優香のお尻を間近で見ることができるからだった。

こんな調子でこの日の体育は続けられた。疲れてちょっとでもつまずいたりすると田崎に容赦なく尻を叩かれた。授業が終わる頃にはもう彼女のお尻は両側とも一面真っ赤になっていた。

————————————————————————

ようやくこの日の長い体育の授業が終わった。優香はへとへとになって、疲れた足を引きずりながら更衣室まで帰っていった。

と、着替えを始めようとして鞄を開くと、中に体操服とブルマーが入っているのに気がついた。(さっきあれだけ探したのに!)それはどちらも普通のサイズの、つまり見慣れた優香自身のものだった。

「なに、ちゃんと持ってきてたんじゃない」

その様子を見ていた女子がすかさず言った。

「違うの、さっき探したときは、本当に…」

しかしもう誰も優香の言うことを信じなかった。


(もう無理…こんな生活、耐えられない)

体育の授業の後、教室に戻った優香は思った。

(これじゃ写真を見られたほうがマシよ)

優香の心はすでに限界に達していた。もうどうなってもいい、放課後スカートを買って明日からまた普通の生活に戻ろうと心に誓ったのだった。

だが放課後、掃除を終えて、購買へスカートを買いに行こうとすると、携帯が鳴った。メールだった。

「最後の命令です。これをクリアすればもうあなたを脅したりはしません」

とあった。そして続いて二通目のメールが来た。

「実験室に来てください」

(ホントに、ホントにこれで最後なのね)

優香には信じられなかったが、しかし目の前に現れた希望の光に飛びつかずにはいられなかった。とにかく実験室に行ってみることにした。

————————————————————————

一週間前に訪れた実験室。今日もそこには誰もいなかった。優香は中に入ると、無意識のうちにこの前紙袋の置いてあった窓際のテーブルの方へ向かっていった。

「おい、あいつこんなところで一体なにをするつもりなんだ?」

ドアの隙間からこっそり覗いていた山田が囁いた。近頃優香の様子がおかしいと、友人を誘って後をつけてきたのだった。その中には心配そうに見守る香織の姿もあった。

「さあ、誰か人と会うのかな?」
「こんなところで?」
「告白でもするんじゃね?」
「そしてそのままキスってか…」
「そんでそのままセッ…」「ちょっとあなたたちなに言ってるの! やめて!」

香織は顔を真っ赤にしながら連れの二人に注意した。

「なんだよ、怒るなよ。もしかしてお前まだバージンなのか?」

香織は何とも答えなかった。

「あ、そうなんだ。なあ、そうなんだろ?」
「関係ないでしょ! そんなこと…」

確かにその通り香織は処女だった。だから香織は、そういう話題を耳にするだけで顔を真っ赤にして恥ずかしがり、嫌悪の念で心を一杯にするのだった。

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と、そうこうしているうちに、クラスメートに覗かれているとも知らない優香は、緊張の面持ちで次のメールが来るのを待っていたのだが、やがて待つほどもなくメールが来ると優香はどきどきしながら読み出した。

「よく来てくれたね。本当にこれで最後だから、心配しなくていいよ。あなたがちゃんと命令通りにしてくれたら、もうこんなメールは送らないから。わかったらその場で頷いてくれるかな」

優香はその通り頷いた。するとすぐ次のメールが届いた。

「よし、お利口さんだ。じゃあまず、その場で全裸になってもらおうかな」

「えっ?」
「三分以内だよ、では始め」

優香はその場で気が遠くなった。携帯の画面を茫然と見つめたまましばらく身動きもできなかった。

身動きもできないまま、何分かが過ぎた。

優香が我に返ったとき、果たしてどのくらいの時間が経過したのか、自分ではわからなかった。

が、そのとき窓の外を見てハッとした。

校門に人が立っている。ポスターを持った、ジャージ姿の人間が。そしてゆっくりと、ポスターを広げて、門の柱に貼り出した。

「いやっ!」

まだジャージの背中に隠されてポスターの表面は見えなかったが、その側を何人もの生徒たちが通っていく。

「いやっ、やめて!」

そして優香は思った。

(もう、やるしかないのね…)

まずゆっくりと、上のセーラー服を脱いでいった。

「おいおい、あいつ脱ぎ出したぞ」

ドアの隙間から窺っていた山田が囁いた。

次にスカートを、床にすとんと落とした。これで完全に下着姿になった。

「やっぱり露出狂だって噂は本当だったんじゃないか?」

続いて一瞬ためらった後で、優香は背中に手を回すとホックを外し、白いブラジャーを、その豊かな胸から取り去った。ピンク色の小さめの乳輪。つんと立った乳首。激しい息遣いのたび、優香の柔らかいおっぱいは小さく揺れた。

「………」香織は先程からずっと黙っていた。が、その顔は見るからに嫌悪の表情に変わっていた。

続いて、最後に、優香は手を腰にやり、自分の白いパンティーを、ゆっくり下におろしていった。

まだ教師に叩かれた赤味の残る、肉付きのいいお尻が現れた。また縦に走る割れ目もあらわになった。

パンティーを爪先から抜き去ると、これでとうとう完全な裸になった。ひと気のない実験室とはいえ、学校の教室で、田辺優香は全裸になったのだ。

「やべぇ、おれ勃起してきた」
「俺もだよ。あいつの胸、予想以上にでかかったんだな」
「………」

優香は全裸になるとすぐ両手で胸と股間を隠し、再び窓の外を見た。校門のあの人間とポスターは、すでに消え去った後だった。

西日が優香の裸を余すところなく照らしていた。


こうして優香はついに教室で素っ裸になった。

(もうこれでいいでしょ…勘弁して)

が、それから三分経っても次のメールは送られてこなかった。

(なに、どうして…どういうこと?)

またしばらく待っていてから、ようやくメールが来た。

「優香ちゃん、うっかりさんだね、上履きと靴下脱ぐの忘れてるよ。でもいいや、本当は両方とも脱ぐまで待ってようと思ってたんだけど、見てるうちに何だかこっちの方がよくなってきゃった。だからそのままでいい。」

たしかに、全裸に紺のハイソックスというちょっと違和感のある格好は、かえって生まれたままの全裸より、惨めで卑猥な姿だった。

「じゃあ、次に今から一分以内に、その全裸の姿のまま、廊下に出るんだ。ただし手で胸やアソコを隠しちゃいけないよ。ちょっとでも隠したらやり直しだからね」

優香は愕然とした。

(このまま…教室の外へ?…)

ドアの向こうでは依然としてクラスメートの三人が、ついこの間まで優等生という評判のあった優香の奇行をのぞき見ていた。

「俺この前までは田辺のこと好きで告白しようかと思ってたんだけど、やっぱりいいや、あんな変態」
「俺も前から付き合いたいと思ってたけど、今はこっちの方から勘弁だよな」
「でも、やるだけならいいな…」
「だよな…言えばやらしてくれるんじゃね?」
「………」

香織はそんな男子二人の話などもう耳に入っていなかった。心の落ち着きを失って、ただ一心にドアの向こうの優香の姿を、睨みつけるように見ているだけだった。もう香織は優香を親友とは思わなかった。露出狂、変態、ヤリマンなど、今まで自分の使ったことのない名称で、優香のことを思うのだった。

「おい、逃げろ! こっちに来るぞ」
「マジかよ、あの格好で出るのかよ」

事実、そのとき全裸の優香がドアに向かって歩き出してきた。自分の裸を隠しもせず、揺れるおっぱい、うっすら生えた下の毛を晒しながら、ドアに真っすぐ向かって来るのだった。

間一髪、三人は廊下の角を曲がって隠れることができた。そしてまたそこから観察を続けた。

優香は廊下に出ると次のメールを待った。手で胸を隠すことができないので死ぬほど恥ずかしかった。誰かに見つかってしまうかもしれない。あるいは自分のクラスメートに… 優香の頭に香織の顔が思い浮かんだ。今では友達といえるのは彼女一人だけだった。

(もしこんなところを香織に見られたら…そうなったら私、もう生きていけない…)

優香は本当にそうなった場面を想像して、胸の先まで真っ赤になった。

と、そこへ次のメールが来た。

「よし、いい子だ。胸を隠さなかったね。もし誰か人に会っても、隠したりしたらいけないよ。隠したらその地点でアウトだからね。では、次にそこから突き当たりまで行って、非常階段に出てもらおう。」

(そ、そんな…非常階段って…それじゃ…外に出るってことじゃない)

人が使うことはないとはいえ、たしかにそれは校舎の外だった。上履きと靴下だけの全裸の格好で屋外へ出るなんて、見つかれば…いやそもそも法律違反、つまりは犯罪だ。

しかしもう優香にはやるしか道は残されていなかった。

決心して、廊下の突き当たりまで行くと、階段へ続くドアをおそるおそる開けた。

どうやら人はいないようだった。が、一歩外へ出るともう遠くから部活中の生徒たちの掛け声が微かに聞こえてきた。

風が優香の裸に冷たかった。毛が揺さぶられ、股間をひんやり撫でられるようだった。

メールが来た。

「よし、じゃあそのまま一番上まで上るんだ。」

優香はもうためらわなかった。早く済ませてしまうことが唯一の解決策だともう諦めてしまったからだった。

石造りの螺旋階段。外側に高さ1メートルほどの囲いがあるとはいえ、囲いの上からは周囲がはっきり見渡せた。校門、グラウンド、プール、テニスコート… 校門はまだたくさんの生徒達が下校中だし、テニスコートでは仲間の部員達がもう練習を始めていた。

優香は、低く身を屈めて囲いの内に隠れながらゆっくり階段を上っていった。

「田辺のやつ、全裸で階段なんか上って…次は何をするつもりだろう?」

三人のクラスメートも階段に出て優香の後を追っていたのだった。

「さあ、俺には見当もつかない」
「おい見ろよ、ここからだとお○んこまる見えだぞ」「ホントだ、田辺優香のお○んこだ…」

香織もそれを見ていた。というより、階段を上へ行く優香を追う関係上、嫌でも目にしてしまうのだった。低く身を屈めながら優香は上っているので、自然お尻は突き出され、開かれた二つの穴が下から丸見えになっているのだった。

(最低、最低、最低…)

と香織は心の中でさっきからその言葉ばかりを繰り返していた。

やがて一番上へ着いた。優香は身を屈めたままの姿勢でメールを待った。

「着いたね。では今からその階段の手摺りに跨がるんだ。もちろん外側のね」

(いやっ! それだけは絶対にいやっ!)

優香がそう思うのも当然だろう。いくら高くて目立たない階段の最上階といえ、見ようと思えば下からはっきり見上げられるところなのだから。

さすがの優香もこれだけは無理だった。泣き顔になりながら、じっと階段に立ち止まったままだった。

するとすかさずメールが来た。

「もたもたしてると人を呼んじゃうよ。階段に不審人物がいるって」

その瞬間、優香の心の中で何かが崩れ去った。もうよく物を考えられなくなっていた。彼女はまるで操り人形のようだった。

階段の丸い銀の手摺りを掴むと、優香は片足を大きく上げて跨がった。金属性の細い手摺りが優香のアソコに冷たく食い込んだ。下を見下ろすと制服や運動着姿の生徒たちがはっきり見えた。顔を上げる者はまだ誰もいなかったが、もうすでに誰かから見られているかもしれないと思うと気が気ではなかった。

優香は手摺りに股間を食い込ませて跨がったまま次のメールを読んだ。

「うわぁ、ホントにやったんだ。もうこうなると言い逃れできないね。お前が露出狂だってことに。ここからよーく見えるよ。お○んこ食い込ませて悶えてるお前の姿が。」

優香は一瞬どきっとして辺りを見回したが、それらしい人物は見分けられなかった。だから諦めて続きを読んだ。

「そしたら、もうこれで最後。後は簡単だ。そのまま腰を動かしてオナニーするんだ。前後左右にお○んこをこすりつけて、手摺りをびょびょに濡らすんだ。終了のメールがあるまで続けるんだよ。ごまかしたりしたらいつまで経っても終わらないからな」

優香は携帯を閉じると地面に置いた。そして手摺りに跨がったままの姿勢で、しばらくのあいだ声を立てずに泣いていた。

先程から一階下の曲がり角から優香の行動を観察し続けていた三人は、優香が階段の手摺りに跨がったとき、一様に言葉を失った。てっきりそこから飛び降りるんじゃないかと思ったのだった。が、それからすぐ、そうじゃないということに気付くと、今度はまったく別の意味で言葉を失った。

頭をむこう向きにして、上半身を低く曲げて手摺りに跨がっている優香の尻は、三人の位置からだとはっきり見えた。いわば股間で手摺りを挟んで四つん這いをしている体勢なので、大きく開かれたお尻の穴や、手摺りとアソコの密着部分も細かいところまで見えるのだった。そしてそのはっきり見える優香のアソコが、あるときゆっくり動き始めたのだった。前後左右に、金属の棒に自分の性器をこすりつけて、それは明らかにオナニーをしている光景だった。

「おい、とうとうオナニー始めちゃったぞ」
「これが目的だったのか」「ほら手摺りがだんだんと濡れていくぞ」
「お○んこはもうぐちょぐちょだ」

そう言う二人もそれを見ながらズボンの中でいつしか手を動かし始めていた。

優香は最初はおそるおそる、ゆっくり腰を動かしていただけだったが、それでは少しも濡れないのと、あと自分で意識はしなかったが徐々に気持ちよくなってきたため、次第に激しく腰を動かし始めた。今年で18才になるがまだ処女の、実はまだオナニーさえしたことのない、それは優香にとって初めての快感だった。

「あ、うぅん…あ」

優香は次第に理性を失って、性器の快感の命ずるがままに腰を動かしていった。慣れない感触に優香のアソコはすぐに敏感に反応し、やがてびっしょりと手摺りから滴り落ちるほどの汁が溢れ出すのだった。しかもまたそこの手摺りには、あらかじめ媚薬が塗り付けられていて、それがさらに優香のうぶなお○んこを刺激したという具合だった。

こうしてもう我を忘れて自慰に耽り、やがて絶頂に達して気を失いそうになったそのとき、地面に置いた携帯が震えてメールが来た。

「お楽しみ中のところ悪いんだけど、一つ忘れてたことがあった。もうこんな時間で、今から部活には行けないだろうから、誰か友達に電話しとかないといけないよ。もちろんオナニーしたままでね。少しでも休んだら人を呼ぶからね」

(あ、ぁん…電話?…友達?…)

優香はもう冷静に考える力を失っていた。だからメールを読むと、腰をいっそう激しく揺り動かしながら、ただちに香織の携帯へ電話をした。

その優香のこれまでの様子をずっと下から睨むように見ていた香織だったが、そのときポケットの中で自分の携帯が震え出したので我に返った。見るとそれは優香からだった。いま自分の目の前で恥ずかしげもなく階段の手摺りに股間をこすりつけている、昔の親友の優香からだった。

「もしもし…」

香織は場所を移しもせず、冷たい口調で言った。快感に没頭していた優香は下から聞こえてくる香織の生の声に気付かなかった。二人の男子は相変わらず自分たちの快感に没頭していたので香織が電話しだしてももうお構いなしといった様子だった。

「か、香織ぃ?…んんぅ…あのね、あたし、いま急に体の調子がおかしくなっちゃって…あ、ぁん…だから、今日は部活には行けないや、ごめんね…ぁ、んんぅ」

香織はこれまで何とか我慢して自分を抑えていたのだったが、このとき、この優香の言葉を聞いてついに怒りが爆発した。電話を繋いだ状態にしたまま、コツコツと階段を上っていき、優香が全裸で手摺りに跨がって腰を振り動かし続けている前まで来て止まった。

優香は目の前に立つ香織の姿を、一瞬信じられなかったようだった。けれども、やがて本当に香織がいるのだと気付くと、もう完全に取り乱した声で言った。

「香織…違うの、これは…」

しかしそう言っている間も、止めてはならないという命令なので腰を動かし続けていた。

香織はもう動物を見るような、軽蔑しきった目でしか優香のことを見なかった。

手摺りからまた新たなしずくが地面に滴った。

「最ッ低!」

香織は電話越しにそう言い、電話を切ると、そのまま走って階段を降りていってしまった。

下にいた二人の男子も、優香に気付かれたと見るや走ってどこかへ消えてしまった。

命令終了のメールがあったのはそのすぐ後のことだった。実験室に戻って服を着た優香は、しばらくの間、床に泣き崩れて立ち上がれなかった。

この日からもう学校の中に優香の味方は一人もいなくなった。翌朝、教室に入っておそるおそる香織に挨拶すると、香織はちらと冷たい視線で睨み付けただけで、無視して新たに加わった女子のグループの方へ行ってしまった。

もう誰も優香に話し掛けようとしなかった。昨日の非常階段でのことは、しかしまだ伝わっていないらしかった。それは香織が固く口止めして、あの二人の男子に、ばらしたらあんたたちがオナニーしてたことを言うよと脅したからだった。

しかし香織が口止めしたのは優香を守ろうとしてではなかった。裏切られた友情は、以前の絆が強かったぶん、いまやそれと同じ強さの憎しみに変わったのだった。

昼休み、優香が教室の隅で一人で弁当を食べていると、そこへ香織がやってきて言った。

「今日、放課後部室で緊急ミーティングがあるから、絶対に来るんだよ」
「うん、必ず行く…でもなに、こんな時期に。試合はまだだいぶ先だし、合宿だって…」

しかし香織は何も答えず無視して向こうへ行ってしまった。

————————————————————————

放課後、女子テニス部の部室には、緊急ミーティングのために一年から三年まですべての部員が集められた。しかしそのうちの誰一人として、何が行われるかを知っている者はいなかった。

やがてキャプテンの優香を含めた部員全員が集まると、副キャプテンの香織が前に出て、口を開いた。

「今日集まってもらったのは緊急にみんなで話し合わなければならないことがあるからです。というのも、それは、最近の我が部のキャプテンの振る舞い、および生活態度について議論すべきだと思うからです」

香織はそう言うと優香の顔を睨み付けた。

「みんなも知っている通り、ここ数日の彼女の態度はひどいものです。何日も無断で練習をさぼり、そのくせ理由を説明しもしません。また、恥ずかしげもなく下着が見えるほどの短いスカートをはいてきて、クラスの、いや学校中の男子を汚らわしく誘惑しています。下着を見られて恥ずかしがるどころか、かえってそれを喜んでいるしまつなんです。こんな人が私たちのキャプテンでいいのでしょうか? こんな恥知らずな女がキャプテンだなんて他の学校に知れたら、部の名誉と伝統は丸潰れ、部員の私たちまで同類扱いされてしまうでしょう…」

香織はここで一息つき、優香の方を見た。優香は部員の視線をさけるように顔を俯いていた。

それを見た香織はにやっと笑った。そして再び口を開いた。

「よって私はここで提案します。田辺さんのキャプテン退任を。また、部の名誉と評判を著しく傷つけた罰として、今後彼女に新入部員以下として、0からやり直してもらうことを」

香織の思いがけない提案に、部員たちはしばらくのあいだ黙って何とも答えなかった。が、やがて三年女子の一人が言った。

「賛成です。たしかにここ最近のキャプテンの態度は目に余るものがあります」
すると続いて別の三年部員が言った。

「私も賛成です。こんな人がキャプテンだなんて、私恥ずかしくて耐えられません」

そして次々に他の三年部員たちが賛成の意を表わすと、やがてこれまで遠慮して黙っていた下級生までが賛成の声を上げだした。

「賛成です。だって最近うちの部のことクラスの男子が、変態テニス部って呼んでるんですよ」
「こんなパンツ丸出しの恥さらしなキャプテンの命令なんて聞けません」
「一年生だってこんな人と一緒にされたらかわいそうだから、副キャプテンの言うように一年生以下としての活動でいいと思います」

その後も活発な議論が交わされた。最近の優香の練習態度やさぼり癖について。また特に彼女の服装、今もパンツ丸出しで座っている、その男に媚びるような短いスカートについて。優香はそれらをうつむいて聞きながら、部員たちの軽蔑の視線が絶えず自分に向けられるのを感じた。

やがて結論が出た。満場一致の多数決で、優香のキャプテンの地位剥奪、および部員に迷惑をかけた償いとして、明日から部活中は0年生として活動することに決定した。

「では最後に、優香、挨拶しなさい。それからみんなに迷惑かけたことのお詫びを」

香織は優香を部員たちの前に立たせ、用意してきた紙を渡した。

「さあ、これを読むのよ」「え?」
「ほら早く! でないと昨日のことみんなにばらすよ」

優香の顔が真っ青になった。唇がぶるぶる震えていた。が、香織に尻をつねられて、とうとう口を開いた。

「みなさん、私、田辺優香は、部のキャプテンであるにもかかわらず、練習を無断で何度も休み、また、下着丸出しの短いスカートをはいて町中にパンツを見せびらかし、恥ずかしげもなく快感に浸って、伝統ある女子テニス部の名誉と評判を著しく損ねてしまいました。よって、キャプテンを退任いたします。また、部およびみなさんの名誉を損ねてしまった償いとして、今後私は0年生として活動し、名誉の回復に努めてまいりますので、みなさんの厳しいご指導をお願いいたします。三年の先輩方の言うことはもちろん、二年、一年の先輩方の命令にもどんなことでも喜んで従います。みなさん、今まで生意気に命令や説教などしてすいませんでした。明日からはみなさんの指導のもと、部員として認められるよう努力していきます」

その最後の方はもう涙で震え声になっていた。

そして優香は香織にうながされ、部員全員に向かって土下座した。

土下座をした優香のずり上がったスカートを、香織は腰までめくって、さらに突き出したお尻から白いパンティーを下ろして尻丸出しの状態にした。

そして次に逆向きに部員たちにお尻を向けて土下座させ、これからの決意表明とばかり、そのむき出しの優香の尻を手で思い切り叩いた。

「痛い! お願い、香織…許して」

ぴしゃ!

「先輩のあたしになにタメ口使ってんのよ。全然反省してないようね。厳しく教育してあげるから、覚悟しなさい」

後輩へのしつけと称してそれから香織はまた何発も優香の尻を叩き続けた。

「ごめんなさい、香織、許してください」
「香織、じゃないだろ!」
「許してください、香織…先輩」

優香はもうまるで子供のように泣きわめいて謝り続けた。

それでこの日のミーティングは解散となった。

翌日から地獄の日々が始まった。部活での0年生といい日々が。

いつもは長く感じられる授業もあっという間に終わってしまった。

放課後になり、掃除が終わると、優香は部室へ行く前にポケットから紙を取り出して見た。

それには何十項目にも及ぶ『0年心得え』が書かれてあった。練習の服装、先輩に対する口の聞き方、挨拶の仕方、果ては着替えの仕方にいたるまで、事細かに書いてあるのだった。優香は今朝香織からそれを渡された。そして放課後部活の時間になるまでにすべて覚えておかなければならなかった。一つでも間違えると容赦なく罰せられる。

優香は最後にもう一度確認すると紙をポケットに戻して部室に向かった。

二階のバスケ部とバレー部の間にテニス部の部室はあった。だから部室の前の廊下を知り合いや他の部の下級生たちがたくさん通った。優香はたどり着くと、ドアの前に立ち、ノックして叫んだ。

「0年田辺優香です。着替えをしに来ました」

事情を知らない他の部の部員たちはびっくりして優香の方を見た。

部室のドアが開けられると、優香は鞄を部屋の中にいる一年生に渡した。

「お願いします!」

とまたドアが閉じられた。すると優香は部室の前の廊下で制服を脱ぎ出した。男子の部室は一つ上の階であるとはいえ、廊下には他の部の女子たちがひっきりなしに現れる。

「やだ、ちょっと優香ちゃん、何してるの!」

とそのとき知り合いのバレー部の女子が通って声を掛けた。

「テニス部0年、田辺優香です!」

そう言わなければならなかったのだ。そして優香は服をどんどん脱いでいく。まずセーラー服の上を、次にスカートを、そしてブラジャー、パンツ、靴下に上履きを… つまり優香は人の通る廊下で全裸にならなければならなかったのだ。その側をバスケ部の一年生たちが通り過ぎた。

「ねえあの人たしかテニス部のキャプテンだったよね?」
「うん…でも何で廊下で裸になってるの?」
「さっき何か0年とか言ってなかった?」
「恥ずかしくないのかなぁ」

優香はそんな周囲の好奇の視線に真っ赤になりながら、全裸のまま、廊下に正座して脱いだ制服と下着を畳んでいった。

そして畳み終えるとまたドアの前に立って叫んだ。

「テニス部0年田辺優香です。服を脱いで全裸になりました」

その声は廊下の一番奥まで響き渡った。一番奥の女子陸上部の部室からそのとき何人か顔を出したほどだった。

「ねえねえみんな来てごらん。ホントに全裸になってるよ」
「うわっ、ホントだ。信じらんない!」

優香が叫ぶと、再び部室のドアが開かれ、中から手が伸びてきて優香の脱いだすべての服を受け取った。

「ありがとうございます!」

すると中から体操着とブルマーが飛んできた。それはこの前体育の時間に優香が着た異常にサイズの小さい体操服とブルマーで、見ると体操服の胸の『田辺』という文字の両脇にマジックで文字が付け足され、読むと『0年 田辺 優香』となっていた。それが優香の練習着と定められたのだった。

ノーパンノーブラの上に着るとはち切れんばかりに伸びたシャツの胸に乳首の形がはっきりと浮き出て微かにピンク色に透けて見えた。シャツの裾を入れるためブルマーはTバック状に大きく引き上げられ、優香の真っ白なお尻のほとんどをさらけ出していた。下着をはいていない股間は食い込んでスジができ、アソコの位置が一目でわかるようになっていた。

「テニス部0年田辺優香です。着替え終わりました」
すると中から新キャプテンの香織の声が聞こえた。

「それじゃ一年生と0年は駅までの道をランニング!」

「ハイッ!」

と言う中の一年生たちと廊下の優香の声がして、部室から出て来る一年生たちの後ろに付いて、優香は廊下を駆けていった。


一年生の練習着も学校の体操着だったが、今年の新入生からブルマーが廃止されたので下は膝丈のハーフパンツだった。二年、三年の服装は自由だった。だからいま部活でブルマーをはいているのは優香ただ一人だった。それもただのブルマーじゃない、両端をハイレグに引っ張り上げ、お尻のTバック状に丸出しになったブルマーを。

だからそんな格好で校外をランニングするとたちまち人々の注目を浴びた。そして最初のうちは学校の生徒たちばかりの道は駅へ近づくにつれて不特定多数の人間で多くなる。

あるとき他の学校の女子高生二人が列の先頭を走る優香を見て噂した。

「ねえ、ちょっとあれ見て。お尻まる見えじゃない?」
「ただでさえ時代遅れのブルマーで恥ずかしいのにね」
「胸もすごい揺れてるし。あれきっとブラジャーつけてないのよ」
「乳首のピンク色が透け透けになってるわ」
「あんな格好で走って恥ずかしくないのかしら」
「0年田辺優香だって、じゃあ中学生かしらね」

すれ違うすべての人が驚いて優香の方を見た。優香がちょっとでも恥ずかしがったりすると監視役の三年の由紀子が容赦なく尻を叩いた。

「こら0年、恥ずかしがるんじゃない!」
「ハイッ、先輩、すいませんでした」

以前はキャプテンとして、また友達として自分を慕っていた由紀子に優香は敬語で話さなければならなかった。

「おい、叩いてもらったお礼は!」
「ハイッ、先輩、お尻を叩いていただいてありがとうございました」

「ねえあの子お尻叩かれたわよ」
「やっぱ名門テニス部は違うわね」
「それに叩かれた後でありがとうございましただって。しかもあんな大声で」

自分と同世代の学生に笑われて優香は恥ずかしくてお尻まで真っ赤になった。



ランニングが済むと休む間もなく今度はグラウンドの隅で筋トレが始まる。グラウンドではサッカー部の男子が練習をしている。

「あれ、田辺さん?」

と声を掛けてきたのはサッカー部のキャプテンの斎藤だった。優香と同じ中学の出身で、頭がよく、優香とは試験で常に学年トップの座を争った仲だった。また休み時間に互いにわからないところを教え合ったりもした。さらに斎藤はイケメン揃いのサッカー部の中でも断トツにかっこよかった。思いを寄せる女子は他校にも数多くいるほどだった。そして優香も以前からひそかに思いを寄せていた一人だった。クラスこそ違っても二人は同じ部活のキャプテン同士、よく電話などでお互いの苦労を語り合っていた。

「さ、斎藤くん…」

優香は声を掛けたのが斎藤だと気付いて真っ赤になった。斎藤は不審そうに優香のぴちぴちの体操着姿、特に乳首の透けている胸を見た。

「ど、どうしたの?…そんな格好して?…胸が透け…」
「イヤッ!」

と叫んで優香は思わず胸を隠した。するとすかさず監視役の由紀子がやってきて優香のお尻をパチンと叩いた。

「こら0年! 隠したら駄目だっていう規則だろうが」
「先輩すいません! で、でも…」

と言って優香はなかなか胸から手を離そうとしなかった。その様子を見た由紀子は即座に優香の恋心を見抜いた。(はは~ん、そういうことね)

「あんた0年のくせにあたしに逆らったね。罰があるのわかってるんでしょうね?」
「はい、罰なら受けます…でも、ここじゃないところで…」

すると何やら不穏な空気を察した斎藤が言った。

「何か邪魔しちゃ悪いから、俺、行くね?」
「ちょっと待って、斎藤くん。斎藤くんはここにいて…さあ、優香、これが罰よ、あんたの好きな斎藤くんが見ている目の前で罰を受けるのよ」
「イヤッ! それだけはイヤッ!」
「うるさいっ!」

そう言って由紀子は優香の頬を思い切りビンタした。

「逆らったら香織を呼んでもっと恥ずかしい罰を受けてもらうよ。さあ、今すぐこの場に四つん這いになりなさい。斎藤くんの方にお尻を向けてね…」

優香は顔を真っ赤にし、泣き顔になりながらグラウンドの土の上に四つん這いになった。思いを寄せる斎藤に向かって高々とむき出しの尻を突き出しながら。

「ほら、もっとお尻を高く上げて。斎藤くんによく見えるように」

そう言うと由紀子は優香のブルマーの後ろを乱暴に引っ張って、さらに尻に食い込むようにした。一瞬、斎藤の目には優香の尻の開いた穴がはっきりと見えた。

「よし、そのままの姿勢を崩すんじゃないよ! 斎藤くんにあんたの今の状況をよく理解してもらうんだね。あんたみたいな最低な変態女と斎藤くんの立場の違いを」

そして由紀子は斎藤が茫然として見ている前で、高々と持ち上げられた優香の尻を、手で何発も何発も叩き始めた。

「んッ…んッ…痛ぃ…もう許してください…」

罰が終わる頃にはもう優香の尻は叩かれた跡で真っ赤になっていた。

「よし! 叩くのは終わり」

そう言うと由紀子は続いて四つん這いになっている優香の背中に馬乗りになっった。

「ほら、歩くんだよ、斎藤くんの回りを、犬みたいにさ」

と言って手で鞭のように優香の尻をパチンと叩いた。優香は背中に由紀子を乗せたまま、自分を見つめている斎藤の回りを何度も回った。

「よーし止まれ! よくできたから誉めてあげるよ」
と言って背中に乗ったまま今度は優香の尻をいやらしく揉み出した。

「どう? 斎藤くん、いいお尻してるでしょ、斎藤くんも触ってみる?」
「イヤッ! やめてッ!」

パチンッ!

「うるさいよあんたに聞いてるんじゃないんだよ! 斎藤くんに聞いてるんだよ。ねえ、ほら、こんなに柔らかいお尻してるのよ?
こんなところにホクロまであって…あ、じゃあお尻の穴の方はどうかしらね?」

そしてブルマーを横にずらして肛門が見えるようにした。優香は土の上に大粒の涙を流し始めた。

「あら、きれいな穴してるじゃない。まんまるな形して、まるで花みたい」

そして両手を使って穴を目一杯広げて斎藤にもよく見えるようにした。

「ほら、斎藤くんよく見て。それで何か変なものがついてないか確認して」

しかし斎藤は軽蔑の表情でじっと優香の尻を見下ろしたまま黙っているだけだった。

「そうか、そうだよね、斎藤くん優香のお尻になんか興味ないか…こんな変態女よりもっと真面目な子が好きなんだよね…」

そして次には優香の顔を四つん這いのまま斎藤の方に向き直させた。もうその顔は涙でぐちゃぐゃになっていた。

「ほら、斎藤くんにちゃんとお礼言いなさい。斎藤くん私の汚いお尻を見てくださってありがとうございましたって」
「さ、斎藤くん…クスンッ…私の汚いお尻を見てくださってありがとうござ…ございました…」

優香はもう泣きに泣いて自分でも何を言ってるのかわからなかった。

「泣いたふりしてるけどホントはこうして見てもらえて嬉しいんだろ?」
「いえ、違いま…」

パチンッ!

「はぃ、嬉しいです…」
「もっと別のところもホントは見てもらいたかったんだよな?」
「はぃ…」
「それでそこに斎藤くんの大事なものを入れて欲しかったんだろ?」
「はぃ…入れて欲しかったです」
「何を入れて欲しかったの?」
「斎藤の大事なもの…」
「斎藤くんの大事ななあに? ちゃんとはっきり言いなさい」
「斎藤くんの…おちんちん…」
「やめろッ!」

とそのとき斎藤が怒鳴った。普段は温厚な斎藤の顔が、見たこともないような恐い表情をしている。

「二人とももうやめろ! こんなふうに俺をからかって何が楽しいんだ! 由紀子も由紀子だけど、田辺さんも田辺さんだぞ! こんなみっともないイタズラに付き合って…俺、田辺さんのこともっとちゃんとした子だと思って好きだったのに…もう見損なった!」

と言うと斎藤は優香の顔を冷たく睨みつけて後ろを向くとそのままグラウンドの方へ去って行ってしまった。

「怒らせちゃったみたいね…でもよかったじゃない、嫌われて…0年に恋なんて必要ないんだよ。これで心おきなく部活に集中できるね」

それから優香は練習を遅らせた罰として、一年生一人一人からお尻を叩かれることになった。赤く腫れ上がったお尻はもうほとんど何も感じないほどの状態になっていった。

「あら、ずいぶん遅かったのねえ」

優香たちが筋トレを終えてテニスコートに行くとキャプテンの香織が来て言った。香織は優香の真っ赤になったお尻を見た。

「初日からずいぶん叩かれたみたいじゃない? 一体何しでかしたの?」

香織は由紀子からすべての事情を聞いた。

「そう、斎藤くんに…そういえばあんた斎藤くんのこと好きだって話してたもんね。よかったじゃない、好きな人にお尻の穴見てもらえて」

二、三年生がコートで練習をしているあいだ優香はその回りで一年生たちとずっと球拾いをさせられた。が、その扱いは当然一年生よりひどくて、少しボールを渡すのが遅いと叩かれる、順番待ちをしている部員が「0年、ベンチ!」と言うとすぐ四つん這いになって座らせなければならなかった。もう二年生も容赦しなかった。容赦なくベンチ代わりにして年上の優香をからかった。

「ねえ、あんた、恥ずかしくないの? 年下の人間にベンチ代わりにされて?」「いいえ! 先輩方のお役に立てて嬉しいです」
「年下の前でこんな大きなお尻出して…男子にも教えて上げようかな…疲れたら優香を椅子にして座りなよって」
「はぃ」
「その方があんたも嬉しいでしょ? 男子に乗ってもらった方が?」
「はぃ」
「ホント優香って変態だよね。男子の方が嬉しいんだって」

そんな調子で部活は続けられた。やがて六時過ぎに練習は終わりとなった。

部室へ戻ると優香はまたドアの前の廊下で全裸になった。同じく部活を終えたバスケ部やバレー部の女子たちが廊下をひっきりなしに通っている。

部室からパンツとブラジャーが飛んできたので、優香はそれを着ようとした。すると中から香織の怒鳴り声が響いた。

「誰が着ていいって言った。違うよ、それで掃除するんだよ!」
「え?」
「あんたの汚い裸でさんざん汚したんだから、それで拭くんだよ、廊下を」
「それって、この下着のことですか?」
「あまりまえでしょ! この廊下の端から端まで雑巾がけするんだよ。それから他の部の部員たち一人一人にちゃんとおつかれさまでしたって言うんだよ、立ち上がって、胸を隠さずにね」

五分後、この二階の部室の前の廊下で、異様な光景が見られた。さまざまな部の女子生徒たちが行ったり来たりするなかを、本来ならテニス部三年であるはずの田辺優香が全裸で雑巾掛けをしていた。しかもその雑巾とは彼女自身のパンツとブラジャーで、それは廊下を何往復かしただけでもう真っ黒になってしまった。また、彼女は相手が誰であろうがすれ違うと立ち上がって「おつかれさまでした!」と全裸を隠そうともせずに言う。相手が三年であろうが一年であろうが、ちゃんと気をつけの姿勢で立って挨拶するのだった。廊下の端から端へと雑巾する優香のお○んこはそこを通るすべての部員に見られたのだった。

「よし、終わった? じゃあもうその雑巾は使えないね」

と言うと香織はゴミ箱に優香のブラとパンティーを捨ててしまった。

「あとあんたの練習着はなくならないようにきちんとこの部室で保管するから。もしなくなったら全裸で練習だよ。一着しかないから洗濯できないね。股のところもうちょっと臭くなっちゃってるけどね」

それから香織は続けて

「じゃあ、うちらは先に帰るから…ま○こ丸出しのあんたみたいなのと一緒にいたらこっちが恥ずかしくなるからついて来んなよ」

そう言って部員たちは部室の鍵を閉めて帰ってしまった。

優香はその日ノーパンノーブラで帰宅しなければならなかった。あのちょっと体を折り曲げただけで中が見えてしまう股下10cmのスカートで。

「ねえ、ちょっとあの子ノーパンじゃない? あんな短いスカートはいてお尻が丸見えになってるわ」
「それにアソコも階段の下から丸見えよ」
「信じらんない!」
「見て欲しくてたまんないのかしらね」

電車の中で優香は痴漢にあった。生のお尻を好き放題に触られて、しまいには大事な部分に指を突っ込まれた。車内にくちゅくちゅいうその音が響いていたが、誰も彼女を助けようとしなかった。

男は優香の尻に精液をぶちまけて帰っていった。

こうして優香の地獄の一日目が終わった。


一週間経った。優香にとってそれは非常に長い一週間だった。この間まで自分の友人や下級生だった部活の仲間に奴隷なみに扱われ、しごかれ、他の部の生徒たちが見ている前で恥ずかしいことをやらされたのだったから。

今では優香の廊下での着替えも当たり前の風景になっていた。廊下の上で素っ裸になって、通り過ぎる他の部の女子たち、知り合いでも一年生でも関係なく、

「おつかれさまです! 0年田辺優香です!」

と気をつけをして挨拶するのだった。

「ああ、おつかれさま、今日も全裸でごくろうさんね」

一年生もだんだん慣れてきて今ではそんな受け答えをするようになっていた。

優香は屈辱と恥ずかしさでもう生きた心地もしなかったが、ただ裸を見られるのは女子に限られていたのでまだ耐えられた。透けた乳首やTバックの尻を見られていたとはいうものの、まだ男子たちに『そのもの』は見られていなかった。


季節は本格的な夏になった。体育ではプールの授業が始まった。普段は男女別々にプールの授業が行われるのだが、この日は日程の都合で合同の授業になった。ただでさえ、地味なスクール水着姿になることを嫌がっている女子たちは、男女合同と知らされて、この日は朝からぶーぶー文句を言っていた。

授業は五時間だった。三年二組の女子生徒たちはお腹が膨らむといけないといって弁当もろくに食べず、着替えをしに更衣室に行った。

優香はいつものように一人で更衣室に行き、すでに紺色のスクール水着に着替え始めているクラスメートたちを尻目に、自分も着替えをしようとした。

が、水着を取り出そうと鞄を開けたがそこには水着が入っていなかった。どこをどう探しても見つからなかった。忘れてしまったのかと思ったがそんなはずはなかった。朝、確かめたときはちゃんと水着と帽子とゴーグルが入っていた。それがいま後の二つは残して水着だけがなくなっていた。

優香はとっさにひらめいた。

「ねえ、香織、私の水着知らない?」

部活以外のときは敬語を使う必要はなかったので優香はすでに着替えを済まして水着姿になっていた香織にこう聞いた。

「え、水着? 知らないよそんなの」
「ほ、ホントに? どこにあるか知らない?」
「ホントに知らねえよ…どうして私があんたの水着のこと知ってなくちゃなんないのよ」

そう言って香織は他の友人たちとわいわい言って恥ずかしがりながら更衣室から出てってしまった。友人と冗談を言いながらもしかしその顔は陰険に笑っていた。

優香は水着がないのであれば授業は受けられないと考え、着替えをやめて制服姿のまま授業のある屋外プールへ向かっていった。

プールにはすでにクラスの生徒たちが集まっていた。指定のブーメランパンツをはいた男子たちはいつもより少しうきうきして張り切っている様子だった。体にぴったりした紺のスクール水着を着た女子たちは恥ずかしそうにみんな寄り集まって、腕を組むふりをしながら胸の膨らみを隠そうと努力していた。男子たちのいやらしい視線が女子の胸や尻の上をひっきりなしに動き回った。

「ねえ、いま高橋のやつ、恵子の胸の方見てたよ」
「え、ホントに? やだぁ、気持ち悪い」

そんな平和な光景がしばらく繰り広げられていたが、やがてチャイムが鳴るとみな一斉に控えの場所に整列して教師が来るのを待った。

教師の田崎がやってきた。すると生徒たちは話すのをやめた。

「起立! 気をつけ! 礼!」

そして体育座りした。

そのとき、制服姿の優香が現われ、びくびくしながら田崎に言った。

「あの、今日の授業は見学にしてほしいんですが…」「ん、見学? 聞いとらんぞ、そんなこと」
「水着が…その、なくなってしまったので」
「なくなっただ? そんなもんいいわけになるか! しかも『なくなった』じゃなくて『忘れた』だろが!」
「いえ…ちゃんと持ってきたはずなんです」
「どっちでもかまわん! ないものはないんだ、社会に出たらそんな言い訳通用しないぞ!」

そう言うと田崎は事前に見学を申し出ていた三人の女子の方を向いて言った。

「おい、誰か水着持ってきてないか? 田辺に貸してやれ」

するとその三人の女子たちは、

「私持ってきてないでーす」
「私もでーす」
「私もないでーす」

と田崎に向かって答えたが、実は三人ともちゃんと持ってきていた。ただ優香に貸したくないので持ってないと嘘をついたのだった。

「そうか、じゃあ困ったな。さすがに裸で泳がせるわけにはいかんし…」

と、そのとき三人の方から再び声がした。

「水着? 持ってますよ」

みんな一斉に振り向いた。それはクラスのお調子者の男子だった。足の捻挫のため今日の授業は見学になっているのだった。

「俺の水着なら、ありますよ」

みんなはまたいつもの冗談が始まったと思って笑った。そうやって余計なことを言っていつも教師たちを怒らせる。だからこのときの冗談にも、すぐさま田崎の雷が落ちるだろうとみんなは待ち構えた。

しかし田崎の方は案外真面目な顔をしていた。そしてやがて平然とした顔で

「おぉ、そうか……じゃあ悪いが田辺に貸してやってくれないか」と言った。

優香は自分の耳を疑った。

「先生…違います。小林くんは男子ですよ」
「ん? そんなことくらい知っとるわい」
「男子と女子では着る水着が違うんですよ」
「でも水着は水着だ」
「さっき先生、さすがに裸で泳がせるわけにはいかないって言ったじゃないですか!」
「言ったよ。だから水着を借りるんじゃないか」
「男子の水着じゃあ裸と一緒です!」
「うるさい!」

とそのとき田崎が怒鳴った。

「何を生意気に大人ぶった口聞いてるんだ! お前らはまだ未成年の子供じゃないか! 子供が生意気に裸が恥ずかしいとか何とか思うな! 誰もお前の胸なんて興味ない!」

そしていっそう厳しい命令口調で、

「わかったらさっさと着替えてこい! 嫌ならパンツ一枚で泳いでもらうぞ!」

優香は重く肩を落としてとぼとぼ校舎の方へ歩いていった。

「何もたもた歩いてるんだ! 五分以内だぞ! もし五分に着替えて来なかったら、罰として水着のままグラウンド十周だ!」

という叫び声が優香の背中に響いた。


「ねえ、小林くん早くしてよ。時間に間に合わなくなっちゃうよ」

優香は捻挫のため速く歩けない小林に苛立っていた。

「そんなこといったって歩けないもんはしょうがないだろ」
「でも五分しかないのよ」「うるせえな! だいたいそれが借りる人間の態度かよ。そんなこと言ってると貸してやんねえぞ!」
「あ、ゴメン! 許して…でもお願いだからもう少しだけ速く歩いて」

そんなこんなで二人が教室に着いた頃にはもう半分の時間が経過していた。

「ほら、これだよ」

と言って小林は自分の水着を取り出して優香に渡した。紺色の男子用水着、三角形のブーメランパンツ… 優香はそれを指で摘むように受け取った。

「大丈夫だよ。ちゃんと洗ってあるから…さあ、早く着替えろよ」
「え、着替えるって、ここで?」
「ここしか場所はないだろ。それともお前更衣室の鍵持ってきたのか」

優香は動揺していて鍵をもらうのを忘れていたことに気がついた。

「そ、そうね…ここしかないわね。じゃあ小林くん、ありがと、先に行ってて」
しかし小林は椅子に座ったまま動かなかった。

「いや、ちょっとここで休憩するよ。急がされたもんだから、また足が痛くなってきた」
「そんな…ね、お願い、教室の外で休憩して」
「うるせえな、どうしようと俺の勝手だろ! それに、早くしないと時間過ぎちゃうよ。グラウンド十周になってもいいのか、おっぱい丸出しで?」

教室の窓から誰もいないそのグラウンドが見えた。グラウンドは校舎に向かいあっているのでどの教室からでも見渡せるようになっていた。もし時間に遅れたら、全校生徒の見ている中で、おっぱい丸出しの半裸の姿でグラウンドを走らなければならなくなるのだ。

もう残りは二分しかなかった。

「わ、わかったわ…でもこっちの方見ないでね」

しかし小林は無視してにやにや優香を見続けている。

もうためらっている時間はなかった。優香は急いでスカートの中に手を突っ込み、パンツを降ろした。小林に見られないよう背中を向いて脱いだので、足を上げた際、腰を曲げた優香のお尻が小林に丸見えになってしまった。

「おい、ケツ丸見えだぞ」「え、イヤッ!」

恥ずかしがる優香の着替えを小林はにやにや笑いながら観察していた。

優香は急いで借りた水着をはいた。次にすばやくスカートを脱いだ。続いて小林の見ている前で、半袖のセーラー服を脱ぐと白いブラジャーが現れた。

「おお、まるでストリップだな! 早くブラジャー取っておっぱい見せろよ。取るの手伝ってやろうか?」

しかし恥ずかしがってはいられなかった。優香はブラジャーの背中のホックを外し、肩紐も外すと、左腕で胸を隠しながら、一瞬ためらった後で、胸からブラジャーを抜き取った。うまく隠したつもりだったが、優香の大きな柔らかい胸は、ブラを取るとき一緒に上に持ち上げられてしまって、左腕からピンクの乳首が両方とも飛び出てしまった。お! と小林は思ったが、乳首が出ていることに優香本人は気付いてないらしかったのでので、そのままの状態にさせておいた。

男子生徒用のブーメランパンツ一枚になった女子生徒、田辺優香の真っ白な裸。足や腕は部活のため小麦色に日焼けしていたが、日焼けをしていない腹から首にかけての上半身は透き通るように白かった。だからピンク色の乳首がその中で一際目立って見えた。

優香は畳む余裕もなく、脱いだ制服や下着をそのまま自分の机の中に入れると、一目散にドアへ向かって教室から出ようとしたが、そこでハッとして立ち止まった。

「あの、小林くん… バスタオルも貸してくれない?」
「タオル? 持ってきてないよ」
「え、じゃあどうやってプールに行くの?」
「その格好で行くしかないだろ。それともまた制服着るか? もう時間はないぜ」

確かにその通りだった。あともうおそらく一分ほどしか残っていなかった。優香は決心してドアを開けると、上半身裸のまま廊下へ飛び出していった。隣の教室では授業をしている。夏の間は暑いのでドアや窓は開けっ放しになっていた。優香は両腕で胸を隠して、窓から見えないよう身を低くして走ったが、授業中の生徒たちは教室の前方のドアの向こうを走り去っていく優香の上半身裸の姿を見た。

「ねえ、いま誰か裸の女子が通らなかった?」
「女子? いや男子でしょ。隣のクラスいま水泳の時間だから、何か忘れものを取りに来たんでしょう」
「いやたしかに女っぽかったんだけどなぁ」
「お前の妄想だよ、きっと」

そんな会話が三年一組の生徒たちの間で交わされた。


そのころプールでは教師の田崎が生徒たちに授業の説明をしていた。生徒たちは田崎のうんざりするほど長い話を退屈そうに聞いていた。

と、そこへ、校舎に通じる渡り廊下を裸の女子生徒が走ってきた。男子用水着一枚の女子生徒。ぷるぷる揺れる乳房がこぼれないよう手で押さえながら、晴天の青空の下こちらへ向かって走ってくる。それを見た生徒たちは一同みな目を丸くした。

「おい、ホントに着替えてきたぞ」
「すげえ上半身裸じゃねえか」
「手からおっぱいがこぼれそうになってるぜ」
「信じられない! よくあんな姿で来れるわね」

様子を察した田崎も気付いた。そして腕時計を見ると言った。

「ぎりぎり間に合ったようだな」

優香は田崎の前に来て止まった。肩で息をしてハアハア言っている。が、目の前に並んで座っているクラスメートたちの視線に気付いて恥ずかしさから後ろ向きになった。

「胸を隠すんじゃない!」と田崎が怒鳴った。
「で、でも…」
「胸を隠しているうちはまだ着替えてきたことにはならんぞ。それともそのままの格好でグラウンドを走りたいか? あと三秒! にぃ! いち!…」

優香はそっと手を離した。恥ずかしさでぶるぶる震えている。

「さあ、後ろを向いてないで、みんなの方を向いてちゃんと立て!」

優香は顔を真っ赤にしてうつむきながら恐る恐るゆっくりクラスメートたちの方に向き直った。真っ白なDカップのおっぱいが3年2組の生徒たちの前に現れた。

「おお! 田辺のおっぱいだ!」
「すげえ! 大きいな」
「それに先っぽの乳首みろよ。ピンク色でものすごくエロいぞ」
「イヤッ! 見ないで!」
優香は皆の視線が自分の胸に注がれていることに気付くと、再び手で胸を隠してしまった。

「隠すな!」
「でも…」
「気をつけをしろ! それともその格好でマラソンしたいか?」

優香はそれを聞くと顔を恐怖に歪めて、諦めて再び手を離した。

「いいな、隠すなよ。今度また隠したら罰として次の水泳の授業のときもその格好だからな。男子の水泳の授業に混ざってもらうからな!」

優香は気をつけをした腕を緊張で震わせながら、いまや隠すことのできない自分の胸をクラスメートに好き放題眺められるのをどうすることもできなかった。股間を膨らませた男子たちのいやらしい視線は撫で回すように優香のあらわな胸を見つめていた。そんな男子たちの興奮した様子に嫉妬を覚えた女子たちは、軽蔑するように優香の顔を睨みつけていた。

「な、恥ずかしいことなんかないだろ?」やがて田崎が言った。「誰もお前の胸なんか気にしちゃいない。なあそうだろみんな?」

そう言って田崎は優香のおっぱいを指で指し示した。

「これを見ても何とも思わないだろ? まだ子供のお前たちは?」

いつもは子供扱いされると反抗するくせに、このときばかりはみな小学生のように素直にうなずいた。

「ほら、みんなそうだと言ってるじゃないか。一人前に恥ずかしがってるお前の方が変なんだ。わかったか!」

優香は無言のままうなずくしかなかった。

「よし、じゃあ列に加われ」

優香は、隠してはいけない胸をぷるぷる揺らして、自分を軽蔑した目で睨みつけている女子たちの列に入ろうとした。が、そのときまた後ろから田崎が怒鳴った。

「そっちじゃないだろ!」「え?」
「お前はこっちだ!」

優香は自分の目を疑った。振り返ると田崎は男子の列の方を指さしているのだった。

「男子用の水着を着ているんだから、今日はお前は男子だ。男子生徒として扱う」

一分後。高校のいつもの水泳の授業の風景。地味なスクール水着を着て赤いキャップを被った女子の列。その隣に股間のもっこり膨らんだ三角の水着を穿いて白いキャップを被った男子たちの列。が、そんな男子の列の中に一人だけ、明らかに胸の大きな生徒が混じっていた。Dカップはあると思われる白いおっぱい。真ん中に小さなピンク色の乳首がぴんと誇らしげに立っている。が、そんな得意げな胸とは裏腹に、その持ち主の顔は耳まで真っ赤になっている。競泳用の、ただでさえ小さいブーメランパンツはその女性的な大きなお尻にきつく食い込み、尻の割れ目が上にはみ出してしまっている。

「お前意外とおっぱい大きかったんだな」
「それに乳輪ははちっちゃくって、ピンク色だ」
「なあ揉んでいいか? それか乳首しゃぶらせろよ! なあ、おい」

優香は前後左右を男子に囲まれ、彼らの目と鼻の先に自分のおっぱいを見せながら、それを手で隠すこともできず、からかわれるままになっていた。男子たちは股間の膨らみを押さえるのに必死だった。

「お願い…そんなに見ないで」
「そんなこと言ったって見せてるのはお前の方じゃないか」
「別に見せてるわけじゃ……」
「それにお前は男子なんだから別に胸見られたってどうってことないだろ? な、田辺優香くん?」
「………」
「ん? てことは別に触ったっていいんだよな? 触らせろよ!」
「イヤッ…やめて!」
「隠してみろよ。隠したら今度の授業もおっぱい丸出しだぞ」

こんな言いたい放題の男子たちの言葉にも、優香は何の抵抗も反論もできず、顔を赤らめて耐えるしかできないのだった。

しかし、これはまだまだ始まりに過ぎなかった。もっと恥ずかしい仕打ちがその後に待っていた。


ようやく授業が始まった。授業は飛び込みの練習だった。飛び込んで水の中にいるときは胸が隠れるのでよかったが、水から上がって順番待ちをしているときは死ぬほど恥ずかしかった。男子はもちろんのこと、女子たちまでも、優香を懲らしめてやろうと軽蔑の視線で優香のあらわな乳房を見つめるのだった。

「よく出来るわね、そんな格好」
「本当は嬉しいんじゃないの? 男子みんなに見てもらえて」
「ほら、あんたの望み通り興奮してるよ、水着パンパンに膨らませて」
「あたしたち女子にも、大きなおっぱいを自慢できて嬉しいでしょう?」

ついこの間まで、明るい性格でクラスの誰からも好かれていた優香が、今は軽蔑と嫉妬の対象、女の恥とばかりに扱われるのだった。

「ねえ、ホントは嬉しいんでしょう?」とあるとき香織が来て言った。「でもホントはこんなことしてもらいたいんだよね?」

そう言うと香織は突然手を伸ばして優香のあらわな乳房をワシ掴みした。そして、優香が抵抗できないのをいいことに、その柔らかいおっぱいを好き放題揉み始めた。

「や、やめて……」

優香は言ったが、言葉以外にどうすることもできなかった。

「気持ちいいでしょう? マッサージよ。ほら、男子たち見て、気持ちいいみたいよ。段々先っぽが硬くなってきた」

と言うと香織は指で硬く尖った優香の乳首を、いやらしくつまみ始めた。

「おお! すげえ! ホントに乳首が硬く尖ってきたぞ」
「いいぞ、香織、もっとやれ!」
「い、いや……恥ずかしい……香織ちゃん、お願いだから、もう許して」
「何が許してだよ。こんなに乳首硬くしておいて」

そして最後に指で強く乳首をつねると、思いきり捩り上げ、これでもかとばかり引っ張って、それから離した。

「い、いやッー!」

優香の白い胸は揉まれたりつねられたりしたため真っ赤になってしまった。


長い悪夢のような授業がやっと終わった。生徒たちが散り散りに帰っていく後ろを、優香は一人憂鬱な気持ちで歩いていった。

(男子に胸を見られてしまった……それも少しの間だけでなく……あんなに長時間、好き放題に……)

思い出しただけで顔がまた赤くなる。じろじろと、よだれを垂らして、自分の胸を興奮しながら見つめる視線……思春期に入って以降、父親にさえ見られたことなかったのに……

(また女子たちにも嫌われてしまった。ついこの間まであんなに仲良くしていた女子たちにも……もう誰も私に話し掛けてくれる人はいない)

その間も優香の耳には前を歩いている女子たちの聞こえよがしの悪口が聞こえてくる。「変態」「露出狂」「男好き」などというまったく云われのない悪口が。こんな地獄の日々がいつまで続くのだろう、また次は果たしてどんな屈辱が自分に襲い掛かってくるのだろう? そんな憂鬱な考えを抱きながら更衣室への道を進んでいった。

それはすぐにやってきた。

(そうだ、制服は……教室にあるんだ……)

悪夢の中で今までそのことを忘れていた。そして思い出すとまた悪夢の中へ連れ戻された。

(どうしよう……このままの格好で教室に行くなんて、絶対に無理……)

更衣室ではみな何事もないかのように女子たちが着替えをしている。中にはもう着替えを終えて出ていった者もいるようだ。優香は勇気を振り絞って声を出した。

「ねえ、誰か……教室に私の制服を取りに行ってくれる人いませんか?」

楽しげに話しをしていた女子たちの間に沈黙が走った。

「誰か……お願い。取りに行ってくれませんか?」

沈黙。誰もまるで聞こえていないように着替えを続ける。そして着替えを終えて一人また一人と部屋から出ていく。

やがて最後の二人が出ていこうとする。ドアを開けながら振り返りもせずに言う。

「最後のひと鍵お願いね。それから、香織が親切に鞄持って行ってくれたみたいだよ、教室に」

そしてドアが閉められた。

優香は恐る恐るロッカーを開けた。見ると自分の鞄がなくなっていた。


優香は裸のまま更衣室にしゃがみ込んでいた。今はまだ休み時間中なのだ。先程教室から来たときとは訳が違う。廊下に違うクラスの生徒たちがたくさん出ている。そんな中を、こんな裸の姿で通っていくなんて、出来る訳がない。優香は泣きながら時間の過ぎ去るのを待った。

授業開始のベルが鳴った。慎重を期してもう一分待ってから、優香は決心して立ち上がった。バスタオル一枚ない、濡れた裸のまま外に出て、ひっそり静まり返った廊下を先程同様腰を屈めて進んでいった。


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何とか誰からも見られず(そう優香は思った)教室にたどり着くことができた。「遅くなってすみません」と言って中に入ると中年の女教師岡野が叫んだ。

「田辺さん! あなた、どうしたの!」

優香は事情を説明した。岡野は何か汚いものでも見るように優香のびっしょりになった体をじろじろ見つめている。

「……ですから、そういう訳で、遅れてしまったんです。すみませんでした」 と事情を説明し終えると優香は自分の席に着こうとした。一刻も早く体を拭いて制服に着替えたかった。

だが、この岡野と言う女教師は、今年で四十になるがまだ独身で、そのことで生徒たちから馬鹿にされていると思い込んでいて、日頃から若い女、特に短いスカートを穿いて若さを見せびらかしている、学校の女子生徒たちに激しい怒りと嫉妬を抱いていた。

だから岡野は席に着こうとする優香を呼び止めると、冷たく言った。

「田辺さん、ちょっと待ちなさい。そんなこと遅れた理由にならないわ。あなたは来ようと思えば時間通りに来れたわけであって、それなのに『故意に』更衣室でぐずぐずしていて、わざと授業に遅刻したんだわ」
「いえ、違います。故意に、なんてことは……」
「いいえ、少しくらい遅れても大丈夫だろうと、あなたは私を馬鹿にしているんだわ!」
「いえ馬鹿になんてしていません」
「いいえ頭ではそう考えていなくても心の中ではきっとそういうふうに思ってるんだわ!」

心の中では、などと言われると優香は何も言うことができなかった。

「ほらね、そうやって黙ってるのを見ると当たっていたようね」そう言うと岡野は優香のピチピチした若い裸を冷たく眺め回した。

「それにわざと遅れて教師である私を馬鹿にしたうえ、そのいやらしい裸を私に見せつけてやろうと思ったんだわ!」
「いえ、そんなこと……」「お黙り!」と岡野はヒステリックな声を出して叫んだ。「あなたは近頃調子に乗っているようね。少し成績がいいからといって、教師を馬鹿にしているんだわ。少し罰を与えないとやがて社会に出て苦労することになるわね」

そう言ってにやりと笑うと、岡野はこう言い放った。

「罰として廊下に立ってなさい。私がいいと言うまで」

優香は自分の耳を疑った。

「え? あの……着替えてから……ですよね?」
「あなた何を言ってるの? そのままの格好でに決まっているじゃない! もう休み時間はとっくに終わったのよ。今は着替えをする時間じゃないわ! いやらしい裸のまま、廊下に出て立ってなさい!」
「そ、そんな……」
「あ、あともう必要なくなったんだから、その借りた水着も返してあげなさい。」
「それだけはイヤッ……それだけは、お願いです、許してください」
「だめよ、もう水泳の時間は終わったのよ。早くしなさい。これ以上授業の邪魔をするようなら、田崎先生に来てもらってもっときつく罰してもらうわ」

岡野と体育の田崎とは、何やらいい関係にあるらしいという噂があった。それを聞いた優香は、これは本気だ、もし田崎が来たら、もっと恥ずかしい罰を受けなくなるに違いない、と恐怖で一杯になった。

「校庭を走らされるかもしれないよ」と男子の一人が叫んだ。
「お、いいな、全裸ランニングだ!」と別の男子が続いて言った。
「さあ早く! どうするの? もう田崎先生を呼んできますよ」

そして岡野は教室を出て本当に呼びに行きそうなそぶりを見せた。震え上がった優香は慌てて呼び止めた。

「待ってください! やります。岡野先生のおっしゃった罰を受けますから、行かないでください!」
「じゃあ早く」と教壇に戻って来て岡野は言った。「脱ぎなさい」

優香は、もうやるしかないと諦めた。教壇の横、クラスのみんなが見ている前で、水着を脱いで全裸にならなければならないのだ。優香はみんなから背を向けて黒板の方を向いて脱ごうとした。だが岡野がまたヒステリックに叫んだ。

「だめ! ちゃんと前を向きなさい!」

優香は言われた通りにした。そして片手で股間を隠しながら、もう一方の手で海パンを脱ぎ始めた。

「おお! ストリップだ。学校でストリップが始まったぜ!」
「いよいよ優香ちゃんのおま……いや、あれが見れるぞ!」

(もうお嫁にいけない……)

まだ男性とキスしたことさえない、学年一の優等生、ついに優香は生まれたままの姿をクラス全員に晒さなくてはならなくなった。
「お、いま毛が見えたぞ。優香ちゃん、きちんと処理しなきゃダメだよ」

特に濃いわけではない、むしろ優香の毛は薄い方だったが、現在の動揺した状況ではすべて隠すなどという器用なことは出来なかった。優香は赤面し、涙を堪えながら、海パンを足から抜き取り……ついにクラスメートの前で全裸になった。

「脱いだー! ついに全裸になった!」
「おい、手を離せよ。大事なところが見えないじゃないかよ」
「最ッ低! 学校で全裸になるなんて」
「そこまでして男子の注目浴びたいのかしらね」

優香は脱いだ水着を両手に股間を隠して立っていた。まだ乾いていない水着からか、それとも毛からか、水が床に滴った。

「隠すんじゃない! それに人の水着であんたの汚いところ押さえないの! 気をつけをしなさい!」

俯きながら、優香は股間から水着を離すと、言われた通り気をつけの姿勢になった。うっすらとした、まだ濡れたままの優香の陰毛。縮れて、股間に張り付き、水が滴っている。

「おいおい、おもらししてんぞ」
「いや快感で濡れちまったんじゃないのか、へへへ」「じゃあ田辺さん、小林くんのところへ行って返してきなさい。ちゃんと頭を下げてお礼を言うのよ」

優香は手を横にした、股間剥き出しの状態のままで、恐る恐る小林のいる一番後ろの席へ向かって歩き出した。机と机の間の狭い通路をゆっくりと、白い大きなお尻を振りながら。中には机から身を乗り出して下から除き込もうとする男子もいた。

小林の前に着くと優香は震えがちな声で言った。

「小林くん、どうもありがとうございました」

そして両手を横に、気をつけをしたまま頭を下げた。

「もっと深く!」と教壇から岡野の声。「90度に体を曲げなさい。社会人の常識よ」

優香は言われた通り90度に腰を曲げて、小林に向かって頭を下げたが、そうなると当然お尻は突き出されるわけで、クラス全員が優香の突き出されたお尻を見ることになった。特に近くの席の者は1メートルも離れない距離で、軽く開かれたお尻の穴、そしてわすがに覗くあそこまで、はっきりと目にすることができるのだった。

「見えた、見えたよ、田辺のあそこ!」
「この穴に今まで何人の男が入れたんだろうな?」
「優香ちゃんってたしかまだバージンだったはずよ」
「え? ホントか! まだ田辺って処女だったのか」
「でも実はもうヤッてるんじゃないかしらね? 口では何だか優等生ぶったこと言ってるようだけど、きっともう何十人とヤッてるのよ」

もうプライバシーも何もあったものではなかった。誰からももう人間並みの、いや少なくとも普通の人間並みの扱いをしてくれなかった。みんなが自分を変態女のように扱う。


「ちゃんとお礼を言って返した? じゃあ田辺さん、さっさと廊下に出て行きなさい。あなたがいると授業の邪魔なの」

風邪を引かないよう、体を拭くのだけは許された。それが済むと優香は全裸のまま廊下に出て、立った。廊下側の窓が開いているので優香の裸は教室からまる見えだった。しかも、その場所でも授業は受けないといけないので胸と股間を教室の方に向けて立たなければいけなかった。廊下には優香のほか誰もいなかったが、開け放たれたドアから隣のクラスの授業が聞こえてくる。誰かトイレにでも出てこようものなら、一巻の終わりだった。

「優香ちゃ~ん、可愛いおっぱいしてるね」優香のすぐ目の前の、窓際の席の男子が囁いた。「ねえ、触っていい?」
「や、やめて……こっち見ないで、授業に集中して」
「そんなこと言ったってそんな姿で誘惑されちゃあ、集中なんてできないよ」

と言うと、その男子は、腕を伸ばして優香の胸をワシ掴みにした。

「いや……やめて、お願い。手を離して……」
「いやだね」
「おねがい、戸塚くん、みんな見てる……」

戸塚はお構いなしに優香の無抵抗な胸をたっぷり思う存分に揉み出した。

「ホントは気持ちいいんじゃないのか?」
「そ、そんなことない……やめて!」
「こらそこ、田辺さんうるさいわよ! まだ授業の邪魔する気?」
「違うんです戸塚くんが私の胸を……その、触ってくるんです」
「いや違いますよ先生、田辺の方から触ってって誘惑してきたんです!」

岡野は顔を真っ赤にして怒った。

「田辺さん、あなたには女の恥じらいというものがないの? 神聖な学校で全裸になって、そのうえ男子を誘惑するだなんて! まあいいわ、あなたが変態でも露出狂でも構わないから、授業の邪魔だけはしないで。次もしうるさくするようなことがあったら、いい? そのまま放課後まで立たせますからね!」

これでもう戸塚はやりたい放題できるわけだった。嫌がる優香の胸を思う存分に揉み回せた。逃げないよう左手で腕を掴んで、さらには優香の股間を指でいじくるのだった。

「まだ処女なんだってな? どうだ、気持ちいいか?」
「お願い話しかけないで……」
「オナニーは? まだしたことない?」

そう言ってくちゅくちゅ指でいじられる、優香は、何とか声が出ないようにするので必死だった。

「ほら、気持ちいいだろう? こんなに濡れてる」
「ん……ぁん」
「最低ねあんな声出して」
「ほら見てあの気持ちよさそうな顔」
「あたしあんな女と同じクラスだなんて恥ずかしいわ」
「口を聞くのもイヤだわ」
「あたしなんてもう名前を呼ぶのもイヤ、あんな女」

数十分に及ぶ指責め。岡野が戻っていいと言う頃には、優香のあそこはぐちょぐちょになっていた。顔は放心したようになっていた。授業終了の三分前だった。しかしもちろん、席に着いても着替えをすることは許されず、ベルが鳴ってからやっとそれが許された。

「でも」と制服を着ながら優香は思った。「とうとう裸を晒してしまった。彼氏でもないクラスの男子たちに……」


教室で生まれたままの姿を晒してしまったあの日以来、もうクラスメートは遠慮なしに優香に接するようになった。男子たちは朝、挨拶代わりに優香のスカートをめくるようになり、下着の確認をするのだった。

「お、今日は薄いピンクか。色っぽいねぇ」

前日香織に指定されたものだった。

「いやっ! やめて」
「別にいいじゃん。もう裸見られたんだから、恥ずかしくもないだろ? ほれ!」

と言うと再びスカートをめくって、優香をからかうのだった。

そんなふうに、男子たちは優香を軽くあしらって、女子となるともう誰も相手にせず、口を聞こうともしなくなった。

そうした毎日が続き、やがて期末試験がやってきて、それが終わると夏休みになった。

「今日で優香のパンツともしばらくお別れか」

と終業式の日、男子たちは淋しがった。優香はこれにほっとしているかと思えば、実はそうでもなかった。いや、逆に大きな恐怖を抱いているのだった。そう、もうすぐ部活の合宿が始まるのだ。

その日部室でミーティングが開かれた。合宿の予定についての、キャプテンの香織による説明。

「……だいたい、合宿の説明は以上です。疑問の点は後で各自聞きに来てください」

言い終えると香織は優香に一枚の紙を渡した。

「これは0年のやつ。ちゃんと読んでおけよ。あ、あと前から思ってたんだけど、お前0年のくせに髪長いな、生意気だよ」
「え?」
「え、じゃないよ! 髪が長いって言ってんの。0年に女らしさなんか必要ないの。むしろ女を捨てなきゃいけないよ」

しかし優香の髪はそんなに長いというわけではなかった。たしかに美容院でおしゃれに切ってもらっていたが、肩まで届かない、むしろショートヘアに入る部類のものだった。

「わかりました。合宿の日までに切ってきます」

香織の命令は絶対なので優香はおとなしくそう言った。

「だめよ、どうせ美容院でかわいく切ってもらうんでしょ。ダメ。いまここで短くするの」

そう言って香織は鞄からハサミを取り出した。専用のものでも何でもない、ただの文房具用の安いハサミ。

「え、それでどうするんですか?」
「もちろん切るのよ、短くね。さあ早くここに座りなさい、汚れるから裸になって。ぐずぐずしてたら坊主にするよ。バリカンだってちゃんとあるんだから」

優香はすぐに全裸になった。そして言われた通り用意された椅子に腰掛けた。

「さて、どうしようかねぇ」といって香織は優香の黒い髪をサラサラ触ってみながら言った。
「うんと短く、男子みたいにしちゃえばいいんじゃない?」と回りで見ている部員が言った。
「そうね、まあとりあえず適当に切りましょう」

そう言うと何ら躊躇せず、優香の綺麗な髪をじょきじょきハサミで切り始めた。おしゃれになどとは点で考えていない、ただ短くすることだけを目的とした切り方だった。優香の膝に女の命とも言える髪の毛がどんどん無造作に落ちていく。

ものの5分で終わってしまった。最後に香織は前に回ると、前髪をちょきんと真横におでこの中間で切った。

「これでよし! トイレの鏡で見て来てごらん。上手く切れたから」

優香は裸のまま部室を出ると、一目散にトイレに向かった。

「な、なによこれ……」

鏡を見た優香は愕然とした。まるで自分とは思えなかった。後ろ髪はすっかり無くなり、横は耳が見えるほど、前髪はおでこの真ん中で真横にまっすぐカットされ、それはまるで厳しいバレー部の小学生みたいだった。女らしさのかけらもなかった。

「ね、なかなかいい感じだろ?」

部室に戻ってきた優香に香織が言った。

「は、はい……ありがとうございました」
「アハハッ! だっせー、男みたい。かわいい顔が台なしね」
「ブスッ!」
「もう誰もあんたの裸見ても興奮しないよ」

今まで優香の美貌を嫉んでいた女子部員たちは、台なしになった優香の顔を見て愉快そうに笑った。

「そうね、これで上は0年らしくなったわね。でもまだ下が残ってるわ」
「ええ? 香織、下ってまさか!」

笑っていた部員たちもこの香織の言葉を聞いて驚いた。

「そうよ。下の毛がまだだわ。0年のくせに生えてるなんて生意気よ」

そう言うと今度はバリカンを取り出した。そして足を開かせると、有無をも言わせず優香の陰毛をバリカンで刈り始めた。

「こんなもの0年には不要なものだわ」

そして、バリカンである程度短くしたところで今度は剃刀を取り出して、シェービングクリームを塗ると、股間の毛をすっかり剃り落としてしまった。

「よし、できた!」と言うと最後に水で洗い流した。「完成!」

優香は恐る恐る下を見た。最初自分の目が信じられなかった。すっかり毛のなくなった、つるつるの股間。縦に一本通った線がはっきり見える。まるで赤ん坊のようだった。大気がひんやりと剥き出しの股間に触れる。

「アハハ! 香織ナイスアイデア。パイパンっていうんでしょ、これって?」
「知らないわ、そんな変態用語」
「変態用語なの? じゃあ優香にぴったりね」
「ホントにどこからどう見ても変態よね」

と言うと香織は満足そうに優香に近づいて、いまや剥き出しになった優香のあそこを、指でそっとひと撫でした。

「じゃ、あたしたち帰るから、あんたは掃除して帰ってね、変態さん」

そう言うと香織たち部員は嘲笑の笑い声を残して部室を出た。

残された優香は、床に散乱した自分の髪と、陰毛を、泣きながらほうきでかき集めたのだった。

いつもの制服を着ると、極ミニのスカートに今の短い髪型はなおさら不自然に見えた。色気も何もない田舎臭い女子高生が、パンツ丸出しのミニスカートを穿いている、ただそれだけのことだった。


合宿の日の当日。まだ朝の5時過ぎだった。優香は親を起こさないようそっとドアを閉めると家の外に出た。服装はぼろぼろの体操着、乳首の透けた小さいシャツにお尻丸出しのハイレグブルマーという格好だった。こんな姿、とても親には見せられない。だから優香は気付かれないようそっと家を抜け出したのだった。

持ち物は何もなかった。しいて言えばブルマーの中に入れた定期券一つ。鞄も何も持っていない。まったくの手ぶらだった。

まさに変態といった格好だった。薄いシャツにはピンクの乳首がはっきり透けて、ピチピチのブルマーからはお尻の大半がはみ出し、きつい股間は毛のなくなったせいで余計に割れ目を目立たせるのだった。さらに男の子みたいな短い髪の毛が痛々しい。化粧も一切していなかった。

まだ朝が早いので通りに人は少なかった。それでもたまに行き交う者は目を丸くして不審そうに優香を見つめた。同じく部活へ向かうのであろう長いスカートを穿いた女子高生は、優香の短い髪型を、透けた乳首を、そして筋の入ったハイレグのブルマーを、順々に見て、それからチッとすれ違いざま舌打ちした。サラリーマンはあからさまに胸やお尻を見つめて、おはようとにやにや挨拶する始末だった。優香は恥ずかしさに生きた心地もしなかった。

電車に乗っていると(座席に座ることは禁止されていた)吊り革につかまって立っている優香に、目の前の座席の中年サラリーマンが優香を見上げて声を掛けた。

「高校生?」
「はい……」
「これから部活?」
「はい……」
「それは、練習着?」
「はい、そうです……」
「ブラジャーくらいしたほうがいいよ。乳首透け透けだよ」
「はい……でも、決まりなので……」
「それにパンツも穿いてないでしょう? 線がくっきり出ちゃってるよ」
「……」
「恥ずかしくないの?」
「いえ……決まりなので、別に」
「へえー、そう。じゃあおじさんじっくり見ちゃっても大丈夫だね?」
「は、はぃ……見てくださってありがとうございます」

優香はまるで台詞を言うように、男の言うことにいちいち丁寧に答えたが、その言葉とは裏腹に顔は恥ずかしそうに真っ赤になっていた。

一番乗りで学校に着いた。部室までは誰とも出会わなかった。部室に着くと、さっそくドアの前で体操着を脱ぎ、全裸になった。剃りたての股間が生々しい。

正座で15分ほど待っていると、やがて一年生の集団がぞろぞろと現れた。優香はそれを見ると正座のまま深々と土下座をした。

「おはようございます!」
「あ? はいおはよ」

そして床に畳んであった優香の体操着を足で部室に蹴り入れると、眠そうに中へ入っていく。

やがて続々と部員たちが集まり出す。三十分後にはすべての部員が集まった。

「よし、揃ったね、みんな」とキャプテンの香織が来て言った。
「はーい!」

みな一週間の合宿で、たくさんの着替えや荷物を持って来ている。その中でただ一人優香だけが手ぶら、というより何も持っていない生まれたままの姿だった。

「よし、じゃあバスの方へ行きましょ。みんな忘れ物はない?」
「はーい! 忘れ物はないでーす」
「じゃあ0年、三年生の荷物バスに運んで」
「はい……あの、服を来ていいでしょうか?」
「服? ああこれ? これもう洗ってなくて臭いから、捨てる」
「じゃあ私は何を?」
「何も着ないよ。合宿中は全裸があんたの服よ。そのために毛まで剃って身だしなみを整えたんじゃない」
「全裸で……このまま、一週間過ごすんですか?」
「そうよ何か文句ある?」
「いえ……ありません」

そう言うと優香は裸のまま何往復も、三年生の重い荷物を持ってバスと部室を行ったりきたりした。バスのある外を全裸で歩くのはびくびくものだったが、夏休みの、朝もまだ早いので通り掛かる他の生徒の姿がないのがまだしもの救いだった。

「みんな乗った?」
「はーい!」
「じゃあ出発します。運転手さんお願いします」

こうして合宿がスタートした。優香は相変わらず全裸のままバスの座席に座って、これからどんなことになってしまうのかと不安で泣きそうになっていた。身を隠す布切れ一枚持っていないのだ。この生まれたままの姿で一週間、何十キロも離れた場所で過ごさなければならないのだった。


テニス部一行を乗せたバスは何事もなく合宿所へと進んだ。部員たちは朝早いせいか眠たげに話したりぼんやり窓の外を見たりしていた。最前列の席に座った優香は嫌でも目に入ってしまう頼りない自分の裸、あらわな胸や特につるつるの剥き出しの股間を心細く思っていた。

やがてバスは高速道路に入った。出発から一時間ほど経った。と、緊張のせいか優香は不意に尿意に襲われた。そういえば出発前は慌ただしかったためトイレに行きそびれてしまった。一度催した尿意はその後時間が経つにつれ激しくなってくる。もうあと10分ほどでサービスエリアに到着のはずだが一体どうやって(この全裸の状態で)トイレに行けばよいのだろう? 優香の顔が我慢と心配のためみるみる歪んでいく。

バスはサービスエリアに到着し、大型車専用の広い駐車場に停車した。同じく合宿に向かうものとみえる、他の高校のバスが両側に停まっている。

「では、15分間の休憩です。トイレに行きたい人は行ってきてください」

部員たちはぞろぞろバスを降りていく。優香は泣きそうな顔をして最後部座席に座っている香織のもとへ向かった。

「あら、あんたいたの? それにどうしたのその格好? 全裸で、恥ずかしくないの?」
「あの……」と優香は消え入るような声で言った。「私もトイレに行きたいです」
「どうぞ、勝手に行ってくれば」
「でもこんな格好では、その……裸で外を歩くなんてできません!」
「だったらどうして欲しいの?」
「できれば何か着るものをお貸しください……」
「着るもの? ないね、そんなの」

事実、部員の着替えはバッグと一緒にすべてバスの下に詰め込まれてしまっていた。車内のどこにもシャツ一枚見当たらない。

「それともあんた、あたしに脱げっていうの?」
「いえ、そんなつもりじゃあ……とにかくもう我慢できないんです」
「そうそれは大変ね、早くトイレに行かないと。言っとくけどもしここで漏らしたりなんかしたら承知しないからね! すぐにバスから追い出すよ」
「お願いです何とか出来るようにしてください!」

優香の我慢はもう限界だった。体をくねらせ、必死に尿意を堪えている。

「どうしたの香織ぃ?」とそのときトイレに行っていた三年生部員たちがバスに戻ってきて言った。「0年がまた何か悪さした?」そう言って優香のお尻を意地悪く撫で始めた。

香織は事情を説明した。

「で、香織どうする気?」
「さあ、どうしようかな?」
「バスをプンプンおしっこ臭くされるのだけは嫌よ」
「うん、そんなことしたらバスから追い出すからってさっき言ったわ」
「じゃあどうするの?」
「さあ、おとなしくトイレに行くか、それが嫌だったら我慢しなさい。到着まであと一時間以上あるけどね」

優香はその間も尿意を必死に堪えようと悶え続けていた。真っ青な顔からは大量の冷や汗が流れている。もう誰が見ても限界だった。

「お願いですトイレに行かせてください!」
「だから行っていいってさっきから言ってるじゃないのよ!」
「ですから何か着るものを……」
「それもないって、あんた何度言わせる気?」

優香の膀胱は破裂寸前だった。(もうだめ!)そう思うと脇目も振らず走り出し、裸のままバスを降りると、バスとバスの間の、狭い通り道にしゃがみ込んだ。

「えー、うそ! 信じらんない」
「しかも全裸で、毛まで剃ってる!」

そこは隣のバスの生徒がひっきりなしに通る道だった。誰もがみな道をふさいでおしっこし出した優香を信じられないと軽蔑の眼差しで見つめた。バスの窓からもたくさんの顔が覗いている。

しかし優香にはどうすることもできなかった。一杯に貯まっていた膀胱はなかなか空にならなかった。大量のおしっこがアスファルトの上を流れる。そしてそれにも増してたくさんの冷たい視線が自分の股間に注がれているのを感じる。

「最低!」
「この変態女!」
「汚ねえんだよ!」
「邪魔だから早く消えろよ!」

優香はすぐにもこの場から逃げ去りたかったが、いま自分のしているこの最低な行為が終わるまでは立ち上がることさえできないのだった。

最後の一滴が股間から滴り落ちて、やっと尿意から解放された。我に返って、ふと見ると辺り一面水浸しになっていた。それがすべて自分のおしっこだと思うと優香はたちまち自分が情けなくなった。

立ち上がると、それまで窓から顔を出して見ていた香織が言った。

「0年! ちゃんとみなさんに謝りなさいよ。他校の生徒さんが通る道をふさいで、しかもその道を、あんたの臭いおしっこで汚したんだからね」

「すみませんでした……」と優香は目の前に立つ制服姿の女子高生たちに向かって謝った。女子高生は通路に数人、また道の向こうの開けた場所には、別の学校の男子生徒や中学生が野次馬として集まっていた。

「おお、すげえ全裸だよ!」
「しかもあそこでションベンしたんだってよ!」
「毛が何にもないからあれが丸見えだぜ!」
「それに柔らかそうなおっぱいしてるよ!」

優香はたくさんの視線が自分の体に注がれているのに気付いて、思わず手で隠そうとした。だが、そこへ香織の叫び声が飛んだ。

「こら隠すな! ちゃんと気をつけをして、返事を待ちな! まだ許してもらってないだろ!」

優香の直立不動の全裸を、目の前の女子高生二人はさも軽蔑したように睨みつけている。優香は再び頭を下げて謝罪すると、泣きそうな顔で許しを乞うた。

「あの、あんたの汚いもので道が水浸しなんですけど」とやがて一人が冷たく言った。
「すみません……」と優香は恥ずかしさに泣きながら答える。
「それにその格好……恥ずかしくないの?」ともう一人が馬鹿にしたように笑いながら言った。
「すみません……」
「すいませんじゃねえんだよ! 恥ずかしくないのかって聞いてるの!」
「恥ずかしいです……」
「それにねえ見てよあれ」と言ってその一人が笑いながら優香の股間を指さす。「毛がないじゃない! 筋がまる見えよ」

優香は自分の股間を露骨に見られて死ぬほど恥ずかしかったが、香織の命令で隠すことさえできなかった。

「お願いです許してください……」
「許してください? いいよじゃあ土下座しな!」
「はぃ……」

優香はすぐにその場に膝を着いて土下座した。じりじり熱いアスファルトが焼けるように痛かった。真夏の直射日光が土下座をするお尻に突き刺さる。

「よし、じゃあ許してやるよ!」
「目障りなんだよ、どけ!」

そう言い放って二人は土下座する優香の脇を通り過ぎていった。通り過ぎるとき、剥き出しの優香の尻を思いっ切り平手打ちした。そしてさらにその尻にペッと唾を吐いて、ようやく自分たちのバスに乗った。

優香は涙でくしゃくゃの顔をして立ち上がると、野次馬たちにも深々と頭を下げて謝罪して、香織に戻っていいですかと聞いた。

「早くしろよ! みんなもう待ってんだよ!」

それで優香はバスに戻ったた。

「まさか道ばたでおしっこするとはね」バスが走り出すとさっそく皆でその話題になった。
「まるで動物よね。犬みたいに道でおしっこするんだから」
「でもまだ犬の方が行儀がいいわ。犬はちゃんと柱に向かってするけど、あのケダモノは道の真ん中でしちゃうんだものね」
「じゃああいつは犬以下ってことね」
「しつけが足りないのよ。もっと厳しくしなきゃわかんないのよ、馬鹿だから。そうでしょ香織?」
「そうね、もっと徹底的しつけてあげなきゃいけないわね。みっちりと……」

優香は止まることのない部員たちの悪口を聞きながら、くやしさと屈辱とで、胸が張り裂ける思いだった。

(くやしい!……くやしい!)

そのくやし泣きの溢れる涙はまっすぐ屈辱の股間へ落ちていき、つるつるの土手をなめらかに流れた。それがまた優香にはいっそう屈辱的だった。また先程叩かれたお尻がまだじわじわと痛かった。


バスはやがて山奥のひっそりした土地に入っていき、しばらくして、質素な旅館の前に停まった。それが合宿所だった。

バスを降りると部員たちは各自自分の荷物を持って旅館に入っていく。優香は朝と同様に三年生全員の荷物を部屋まで運ぶ。旅館の利用者は他にもいた。ちょうど中学校の女子テニス部もこの旅館に合宿中だった。女子中学生たちはお尻丸出し、性器まる見え、胸をぷるぷる揺らして、つまり白昼に一糸まとまぬ裸でバスから荷物を持って旅館に入ってくる優香の姿を見て目を丸くした。明らかに自分たちより年上の、大人の女性が生まれたままの裸を晒して歩いてくるのだ。

「気にしなくていいのよ。このお姉さんはね、自分の裸を見てもらうのが好きなのよ」香織がさも優しそうに説明する。「それにもう18にもなるのに道ばたでおしっこしたり、誰かれ構わず学校の男子を誘惑したり、すごく性格が悪いの。だからみんなでその性格を直してあげなきゃいけないの。あなたたちももし何か気がついたら、遠慮せず注意してあげてね。ほら! あんたなにぼーっと突っ立てんのよ! お世話になるお嬢さまたちに挨拶しなさい!」

優香は持っていた荷物を床に置くと、18才の、成熟した裸の体を女子中学生たちに晒した。Dカップの豊満な胸。発達した大人のいやらしいお尻。盛り上がった股間の土手には、しかし毛が一本も生えていなかった。つるつるの股間にはただ恥ずかしい線が縦に一本通っているだけだった。

「お嬢さま方、一週間という短い間ですがどうか厳しいご指導をよろしくお願いします!」優香は香織に耳打ちされた通りに言った。自分より年下の、それもまだ胸が膨らんでない者さえいる子供たちに、優香はまるで自分が彼女たち以下ででもあるかのように挨拶するのだ。「私は自分の裸を人に見られるのが……特に男の人に見てもらうのが大好きなんです。どうか私のこのねじくれた性格を、お嬢さまたちの力で直してください」そして子供たちに向かって深々と頭を下げた。

中学生たちは一目で優香のことが嫌いになった。思春期の、ただでさえ性的なことに生真面目な年頃の彼女たちは、いま目の前にある、いやらしい大人の体、男受けを狙ったようなつるつるの股間を見てすぐさま嫌悪感で一杯になった。男に媚びる最低の女、悪しき見本を目の前にしているという感じだった。

「ああは絶対になりたくないよね」
「うん、きっと男子の前だとぶりっ子するのよ」
「最低よね。付き合ってもいない男子に裸みせるだなんて!」
「18にもなって恥ずかしくないのかね。年下のうちらに頭下げて、それも裸で」

三年生の荷物を運ぶため優香がバスと旅館を行ったりきたりするのを横目で睨みながら、中学生たちはさっそくこの年頃お得意の陰険な悪口を言い合うのだった。

(こんな年下の子たちに、なんで私が……?)

優香は中学生の子供にも服従しなければならない自分のみじめさが悲しくてしょうがなかった。

荷物を運び入れるとすぐに各自着替えをして(優香は全裸のまま)練習が始まった。

ラケットすら持ってきていないので、優香は当然雑用の役だった。コート整備、球拾い、また部員たちの気晴らしの対象……すべて全裸での……それが優香に与えられた役割だった。

「優香ちゃ~ん。恥ずかしくないの? お○んこ丸見えだよ」

裸でネットを張っている優香を部員たちがからかう。

「いやっ! 見ないでください!」
「よく平気よね、全裸で外出歩くなんて」
「見てあのいやらしいお尻!」
「おい! 早くネット張れよ! あんたの汚いケツいつまで見せつける気?」
「す、すみません!」
「ハハハッ! まるで奴隷ね。この間までキャプテンだった優等生が」
「調子乗ってるからこうなるのよ!」

灼熱のコートに靴を履かない裸足は焼けるように熱かった。優香は絶えず動き回っていないと耐えられなかった。裸の肩や胸や乳首の先端に燦々と日が照り付ける。

「ほら! 早くボール持っておいで!」
「はい! すいません!」「違う! 口にくわえて持ってくるんだよ! 犬みたいにね」
「はいっ!」
「よしいい子いい子。お手!」
優香は言われた通りお手をした。一年女子は優香の胸を撫でて誉めてやった。
「どう? 誉められて嬉しいでしょ?」
「はい……」
「はいじゃないだろ、ワンだろ!」
「ワ、ワン……」

今では球拾いから解放され練習に参加している一年生も優香を奴隷のようにこき使うようになっていた。

(私が……元キャプテンだった私が……何で全裸で、球拾いをさせられなきゃいけないの……年下の一年生に)

「なにあんたその目は、文句でもある?」
「いえ……ありません」
「あたしたち一年にこき使われてくやしいんでしょう?」
「いえ……お役に立てて嬉しいです……」
「年下の一年生の前で全裸でいるってどんな気分? さぞ惨めでしょう?」
「いえ……命令ですので仕方ありません」
「なにあんた仕方なくやってるわけ?」
「い、いえっ! 私のためを思ってのことなので、大変感謝しています」
「ハハッ! 感謝してるだってさ! 裸で球拾いさせられて、年下のあたしたち一年に馬鹿にされてさ」
「ホント優香って馬鹿だよな」
「はい……すいません」


優香は屈辱と暑さと疲労とで気が遠くなるようだった。土のコートを一日中、全裸で走り回って、練習が終わるころにはもう体じゅう汗まみれ、顔や胸は土埃に黒く汚れ、お尻はさんざん叩かれたため真っ赤になっていた。


練習が終わっても優香には休む暇は与えられなかった。汚れた部員の練習着や下着を洗濯しなければならなかったからだ(その中に自分の衣服は下着一枚すらなかった)優香は羨望と屈辱の思いを込めて、自分には着ることのできない、Tシャツやスコートやブラやパンツを、裸で一枚一枚干していくのだった。

夕食はバイキング形式だった。優香は席につくことを許されず、給士役を勤めねばならなかった。全裸姿で食堂の真ん中に立っていて、部員の注文を即座に実行する。

「優香、チャーハン取ってきて!」
「はいっ!」
「優香、ジュースおかわり!」
「はいっ!」
「違げえよ、オレンジジュースだよ! 使えねえな、このクソ犬が!」

と言うとそのジュースを優香の顔面に浴びせ掛ける。

「す、すいません!」
「早く持ってこい! 犬!」

そんな優香の奴隷のような給士ぶりを、同じく食堂で食事中の女子中学生たちは、軽蔑するように、冷たく睨みつけていた。

「あっ!」と、あるとき盆を持った優香が中学生のテーブルの脇を通ると、突然足を掛けられ、優香は盆ごと床にひっくり返ってしまった。
「あら、ごめんなさい」足を掛けた中学生がそっけなく言う。

優香は散らばった皿を片付けると、立ち上がってその中学生を睨みつけた。

「なによ?」

とそのとき隣のテーブルから香織が怒鳴りつけた。
「こら、あんた何てことしてくれてんの! お嬢さまたちの目の前で。服よごれなかった? 大丈夫? 優香! ほら、土下座して謝りなさい!」
「でもこの子が足を……」
「うるさい! 注意してなかったあんたが悪いのよ! 謝らなかったら、食事抜きよ!」

優香はしぶしぶ汚れた床の上に正座した。

「どうも……すみませんでした……」
「大事な靴が汚れちゃったじゃない! どうしてくれんのよ!」
「すみません……」
「すみませんじゃなくて、どうしてくれんのって言ってるの!」
「後で私が洗っておきます……」
「あとじゃ遅いわ。いますぐよ! 今ここで、舐めなさい!」

優香の顔がひきつった。

「それだけはできません!」

聞いていた香織が再び叫んだ。

「やりなさい、優香! ちゃんと汚れが取れるまで舐めるのよ!」
「いやです! できません!」

優香は泣き顔になっていた。

「やりなさい! やらないとナイフあそこにぶち込むよ!」

香織の右手のナイフが光った。その顔は真剣だった。優香はがっくりうなだれて、やがて、正座のまま女子中学生の靴の爪先を舐め始めた。

「やだ! この人ホントに舐めたわ!」
「汚ったな~い! 最低ね」
「プライドってもんがないのかしらね」
「ほら、この裏もよ!」

優香は涙で顔をくしゃくしゃにして、中学生の、別に汚れてもいない靴を精一杯舐めた。そしてその間、食事を終えた別の中学生が優香の突き出されたお尻をいやらしく撫で回していた。

「よかっね。ナイフぶち込まれなくて済んで」

そして指で優香のむき出しのお○んこを、ぺちゃぺちゃくちゅくちゅいじり始めた。優香は痺れるような苦痛を感じて、思わず声を漏らしてしまった。

「ん、んぅ……」
「こら何サボってんだよ! 早く続けなさい!」
「あ、ぁん……」

優香は自分の卑猥なあえぎ声に耳まで顔を赤くした。けれども女子中学生の意地悪な指責めに、声が勝手に漏れ出てしまうのだった。自ら軽蔑に値すると思えるような、卑猥な、恥知らずの喘ぎ声を……

「やだ~、声だしちゃってるよ!」
「ホントどうしようもない変態ね!」
「ねえ、何か変な液体でてない!?」
「やだ、出てる! ほら、ねばねばする!」
「きゃー、汚い!」
「違いま……あ、ぁん……何も出てな……ん、んぅ……いです……」
「こっち見ないで! ケダモノ!」

こうして優香は最低の女として、股間からだらだらよだれを垂らし、中学生の靴を舐めながら、屈辱の涙と快感の声にぐちゃぐゃにまみれて、彼女のプライドは崩壊していくのだった。

やがて女子中学生たちは満足したのか飽きてきたのか、泣きながら土下座をする優香を後に残して食堂を出ていった。

やがて泣き終えた優香の足元の床に、香織が盆を置いた。それはみんなの食べ残しをかき集めたものだった。箸やフォークがないのは忘れているというわけではなかった。

「たんとお食べ! 食べ物を粗末にしてはいけないよ。あと、食べるときは四つん這いになって、犬みたいにするんだよ! 手を使ったら承知しないよ!」

優香はみながテーブルに座って眺めているなか、汚い床に四つん這いになり、ぐちゃぐちゃのお尻を突き出しながら、皿の残飯をまさしく犬のように口だけで食べるのだった。もう人間らしさのかけらもなかった。しかし食欲はほとんどないので、その大半は残された。


食後、部員たちは風呂に入る。この時ばかりは優香もみなと同じように入浴することを許された。ただ、一つだけみんなと違うことは、部員のみんなは風呂から出ると体を拭いて服を着るのに対して、優香だけは体を拭いたあと裸のまま、そのまま廊下に出ていかなければならないことだった。全員が裸の風呂場では、自分の裸がこの日始めて恥ずかしくないものに思えたが、風呂から上がり、皆が服を着るのに自分だけが全裸のままなのを意識すると、前よりいっそうの恥ずかしさに襲われるのだった。

(こんな恥ずかしい姿でよくバスに乗ってこんな遠くまで来れたものだわ!)

優香は着衣の部員たちの後から廊下を進みながら、自分の置かれた立場の惨めさ、つらさをあらたに感じるのだった。

入浴を終えると部員はもう何もすることはない。後はしばらく部屋でくつろいで寝るだけだ。部屋は学年ごとに一部屋ずつ大部屋が割り当てられていて、みなで枕を並べて青春の甘い思い出を作るのだ。しかし0年の優香には部屋はなかった。部屋の前の廊下が彼女の合宿中の寝床だった。与えられた寝具は余った枕だけだった。だから優香は夜になっても自分の裸を隠すことができないまま眠るのだった。

「こんなところで寝てたらレイプされちゃうよ!」
「あ、でもこんなブス誰も相手にしないか」

中学生たちは笑いながら優香の脇を通り抜けるのだった。

部屋の中からは遅くまで3年生たちの楽しげな話し声が聞こえてくる。

「へえ、優香って斉藤くんのことが好きなんだ!」
「斉藤くんって、あのサッカー部のキャプテンの?」
「同じ中学だったんだって。前は斉藤くんの方も気があったみたいだよ」
「でも優香の変態ぶりに愛想つかして、今では大嫌いになったらしいわよ」

彼女たちは外で優香が聞いているのを知っていてこんな話をでっちあげるのだった。

「あたしこの前斉藤くんが『優香とやりたい』って言ってるのを聞いちゃった。『言えば簡単にやらしてくれるだろう、あのヤリマンは』だってさ」
「優香ならきっとやらせるだろうね。あのつるつるのお○んこ突き出して『お願い、斉藤くん、入れて!』って」
「今度試しにやらせてみようかしらね。斉藤くんを誘惑するように、優香に命令するってのはどう?」
「いいね、それ。優香も好きな人に処女を捧げられて幸せでしょう」
「それとも体育の田崎を誘惑させる?」
「ハハハッ! それもいいわね。田崎は優香のことが大好きみたいだから絶対やるわ!」
「初体験の相手があんなキモいオヤジだなんて、超ウケル!」

優香は固い廊下に裸で寝そべり、かつて仲良しだったチームメイトたちの悪口を、涙を流しながら聞いていた。そして斉藤が言ったという自分に対する発言に、激しく胸を傷めていた。

(ヤリマンだなんて……斉藤くんが……私のことを……)

優香はかなり疲れていたにもかかわらず、廊下の固さと込み上げる哀しみのせいで遅くまで眠れないでいた。斉藤の顔が頭から離れなかった。そして自分の股間がいつの間にかしっとり濡れているのに気付いてびっくりした。

(やだ……あたしったら……そんなの絶対にイケないことだわ!)

そして優香は暗闇の中で独り顔を赤くするのだった。


こんな調子で地獄の合宿は続いたのだった。部員にはこき使われ、年下の中学生には馬鹿にされ、軽蔑されて、ずっと全裸で、一瞬たりとも胸や性器を隠すことを許されず、女としての意識、優等生としてのプライドをめちゃくちゃにされたのだった。

四日目の夜、優香が廊下で寝ていると、突然、部屋から三年生たちが出てきて彼女を起こした。

「優香、喉乾いたからコンビニ行ってジュース買ってきてくれない?」

優香は一瞬で目が覚めた。

「コンビニ!」
「そう、ここから五分ほど歩いたところにコンビニがあるから」
「もちろん、服は着ていいんですよね?」
「服? あんた服なんて何も持ってきてないじゃない!」
「ということは……」
「もちろんそのままの格好でよ」

優香は途端に青ざめた。

「無理です! 絶対に無理です!」
「大丈夫よ、深夜だから誰もいないから」
「誰もいないって、コンビニの店員さんが……」
「うっせーなぁ。あたしが行けって言ったら行くんだよ。もし断ったら、ナイフであんたの処女奪うからね」
「それはいやっ!」
「じゃあ行きなよ。ほら、お金。今から30分以内に買って来なかったら、処女喪失だからね!」

優香はお金を受け取った。そして恐る恐る歩き出すと、玄関の方へ向かった。

「ホントに行くみたいだよ」
「静かに! 気付かれないように付けていくんだよ」「大丈夫? 捕まらない?」
「平気だよ。捕まったってあたしたちに罪はないさ。あいつが露出狂だっていう証拠は山ほどあるんだから」
「あ、玄関を出たよ!」
「ちゃんと撮るんだよ。ビデオのスイッチ入ってる?」
「うん」

優香は香織たちにつけられているともしらず、そっと足音を殺して、玄関の扉を開けて外に出た。外は思いのほか明るかった。月が輝き、防犯用の街灯がいくつも道を照らしていた。人や自動車は通っていなかったが、もし一人でも現れたら一巻の終わりだ。全裸で町を徘徊する変態女として通報されでもしたら……

コンビニまでの長い一本道。優香は逃げる場所もなく、裸を隠す布きれ一枚なく、丸出しの胸を揺らし、毛のないむき出しの性器を夜風に晒して、一歩一歩、堕落への道を突き進んでいく。

どうにか誰とも出会わずに済んだ。コンビニの明るい光のところまでたどり着いた。

しかし、中に入るのは躊躇われた。優香はいったん物影に隠れて、コンビニの中を覗いた。

若い男の店員が一人いた。運動部系の、爽やかな感じのたぶん大学生。客は誰もいなかったが、優香は、このイケメン店員の顔を一目見て恥ずかしくなった。

(やだ、あんなカッコイイ人の前に行くなんて……)

しかし時間が段々と過ぎていく。優香は何度もためらってから、やっと決心した。

(お願い! 私を見ないで!)

しかしそれは無理な願いだった。深夜の田舎のコンビニに突然、若い女が全裸で入ってきたのだから。

「いらっしゃ……」

店員は驚いて目を丸くした。

優香は黙ってカゴをつかむと、奥のジュースの棚へ急いで向かった。棚のガラスに優香は裸の自分が映っているのを見た。大きなおっぱい。ピンクの乳首。毛のない、丸見えの女性器。店員の視線が屈んだお尻に向けられている。

(これと、これと……ええっと、ない!)

優香は混乱して頼まれた品を探すのにもたついた。

と、そこへ一組のカップルがコンビニの中へ入ってきた。

「ねえ、見てよあれ」二十歳前後の大学生風の女が言った。
「おお! すげえ裸じゃん!」と茶髪の彼氏が叫んだ。

二人はまっすぐ優香のいる奥のガラス棚の方へ向かってきた。

「どれにしようかな?」彼氏はジュースを選ぶふりをしながら、あからさまに優香の方をじろじろ見ていた。彼女の方は、彼氏のそんな様子に嫉妬して、優香の体を爪先から頭まで、細い目で軽蔑するように睨みつけていた。チッと舌打ち。

「バッカじゃない!?」
「どうもすみません……」
「警察呼ぶわよ?」
「お願いです! それだけは勘弁してください!」
「じゃあ隠さないで見せろよ。見てもらいたくてきたんだろ!」

優香はカゴを置いて気をつけをした。

「ふ~ん」と女は吟味するように優香の胸と股間を眺めた。
「すげえ! ピチピチしてる! 高校生か?」

優香は男の食い入るような視線に思わず手で胸と股間を隠した。

「隠すな!」女が言った。「通報するよ」

優香は再び全裸を晒した。顔は半泣きになっている。

「きれいなおっぱいしてるねえ!」と言って突然女は優香の胸を揉み始めた。「乳首の先まで日焼けして……いつもこんなふうに裸で歩き回ってるんでしょう?」
「……」優香は黙って女に胸を揉まれる屈辱に耐えていた。
「それに下の方……プッ!……笑っちゃうね。きれいに毛なんか剃っちゃって。見てよほら、丸出しじゃない!」

と言うと女は二本の指で、丸出しの優香のあそこを開いてみせた。

「すげえ! ま○この端まで日焼けしてるぞ!」

男はしゃがみ込んで優香の股間を覗き見だした。

「いやっ! 恥ずかしい……見ないで!」
「なに自分からこんな格好で来ておいて見ないでなんて言ってんのよ! ほら、もっと足開きな! 見てほしいんだろ!」

優香は女がいいというまで、つまり一メートル以上足を開いた。

「おお! 奥まで見えるぞ!」
「どう? 見られて嬉しいでしょ?」

優香は自分が防犯カメラの真正面に立っているのに気がついた。

(もうやだ! 私の裸が見られてる……)

女は足を開かせたまま、再び胸に戻ると、今度は乳首を指でつまんだり引っ張ったりし始めた。

そして最後に、長い爪で思い切り胸をワシ掴みにすると、爪を立てていきなり全体を引っ張った。

「キャー! 痛い!」
「うぜえんだよ! この変態女!」

と言うと棚からペットボトルを取ってレジに向かった。男も、ジュースを取って行こうとしたが、彼女の見ていない隙に優香の胸を揉み、さらに乳首をくわえて舌で愛撫した。

「ちょっとあんた! 何してんの!」

と言う女の声でやっと男はレジに向かった。

「おいしかったよ、君のおっぱい」こう優香の耳に囁いた。

そして二人は出て行った。

優香は泣きながら急いでジュースをカゴに入れ、一部始終を見ていたあの若い店員の待つレジに向かった。

「最低の女だな」

会計を終えて出て行こうとする優香の背中に、男の声が呟いた。

優香は行きと同じく、真夜中の道を生まれたままの姿で歩いて行った。

合宿所の玄関では、先回りして戻っていた香織たちがカメラを構えて待っていた。

「おかえり! よかったね、乳首しゃぶってもらえて!」
「え! 見てたの?」
「そうよ最初から全部ね。ビデオにも撮ったから、後で見せてあげようか?」

優香はまた一つ自分が低いところに堕ちてしまったと感じたのだった。


悪夢のような一週間の合宿もようやく終わりを迎えた。帰りのバスの中で優香は、これでとりあえず裸の生活からは解放されるのだとほっとした気分になった。もう服の感触を忘れかけてしまっている。自分は奴隷なのだと当然のことのように受け入れ始めてしまっている。そんな奇妙な感覚から、やっと解放されるのだ。

道が混んでいたので、バスが学校に着いたのは夜だった。ありがたいことにもう部活中の生徒は誰も残っていなかった。バスを降りると、そこで解散となり、疲れ切った部員たちは重い荷物を担いでぞろぞろと帰っていく。

「じゃあ、あたしたちも帰ろうか!」と香織が由紀子に言った。「やっと家に帰れる~!」
「ちょっと待ってください!」そこを優香が呼び止めた。
「なに、あんたまだいたの? さったと家に帰りな」
「あの……服を、服をください!」
「服? 別にもうあんたに服なんて必要ないでしょ? 一週間ずっと裸でいたんだから」
「お願いです服をください! ここは向こうと違って人がたくさんいるんです! 何でもいいです! あの、いつもの体操服で構いませんので」
「体操服? あああのピチピチのシャツにハイレグのブルマー?」
「そうです部室にあれを取りに行かせてください!」
「あんたそんなにあれが気に入ってたの? あの乳首スケスケの、お尻丸出しの体操服が」

優香は否定しては行かせてもらえないと思った。

「はい、ぜひあれを着たいです!」
「ハハハッ! あんたホントに変態ね。あんないやらしい格好をしたいだなんて……いいわ、あたしも鬼じゃないから。部室の鍵渡すから勝手に取りに行って。ゴミ箱の中に入ってると思うから」
「あ、ありがとうございます……」

優香は裸のまま急いで部室に行き、ゴミ箱の中から、薄汚れたシャツとブルマーを取り出した。着るとそれは、相変わらず乳首の透けて見える、お尻の大部分がはみ出してしまう、恥ずかしい格好だったが、優香にとっては丸一週間ぶりに着る、とにかくも衣服だった。

優香は久しぶりに着た衣服に心も軽く、駅へ向かい電車に乗ったが、乗客のいやらしい視線が自分に向けられているのに気付いて、恥ずかしさをあらたにした。

(そうだ、裸よりマシとはいえ、お尻丸出しなんだ……それに乳首も……いやっ!)

さっそくお尻を触ってくる者がいた。そして股間を、筋に沿って撫でつける指。

「お嬢ちゃんいいお尻してるね。バレー部かな。それにあそこも……お! 濡れてきたみたいだよ」

家に帰るとドアに鍵が掛かっていた。チャイムを押すと母親が出た。

「おかえり、遅かったね……」母親は優香の卑猥な服装を見た。「何あんた、そんな格好で帰ってきたの?」
「うん、他全部洗っちゃったから……それにこっちは暑いしね」
「暑いったってあんた……そんな……」母親は娘の透けた乳首、丸出しのお尻を不審そうに眺めた。「ちょっと露出が多過ぎやしないかい?」
「そう……? だって学校の指定の体操服だよ。これで毎日体育やってるんだから、全然いやらしいことなんてないでしょ?」
「まあそうだけど……」
「疲れちゃった……お風呂入ってくる」

そう言って優香は家の中に入った。

(これでやっと……)風呂から出てジャージに着替えながら優香は思った。(合宿が終わったわ)


未完
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