週末のラブホテルが混雑するというのは、つかいなれた人なら常識「空室あり」を探すのはなかなかだ。真由美さん(26歳)はそれがイヤで土曜日の彼氏とのデートは昼間と決め、一戦まじえたあと食事というのがいつものコースだった。
さすがに昼間なら週末でもけっこうすいているのだ。そんな週末。例によって彼氏のあとから真由美さんがついていくと、ホテルのフロントには先客がいた。そのカップルはどうみても高校生。
制服こそ着ていないが男のコにはニキビが目立つし、女のコもいまどきにしてはめずらしくノーメイクで、初々しいほどである「私にもあんな時代があったなあ」と彼女が感慨にふけっていると、フロントのおばちゃんが男のコに「ご休憩ですか?」ときいている。
すると、男のコは「いえ、ヤリにきたんです!!」と真顔で答えた。さすがに女のコはモジモジしながら、彼のセーターの裾を引っ張る。
あっけにとられておばちゃんが「いえ、あの、そういう意味じゃなくて・・」と、しどろもどろになるそばで真由美さんと彼氏は思わず噴きだしてしまった。
「ご休憩」の意味を説明されるまで、男のコのほうはなぜ笑われたのか、わからなかった様子でキョトンとしていた。はじめてラブホテルにきたらしくほほえましい光景だった。
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