夫婦交換の末路
益雄に誘われて、踊った。狭いスナックだから、二組が踊ると肩が触れ合う。光次と知恵は、踊りながらキスをしていた。
益雄がキスを求めてきた。麻子にはためらいがあったが、執拗に求められて拒み切れなかった。二組の夫婦が、それぞれにパートナーを代えて、体を密着させて踊りながら、ディープキスを交わしている光景は、異様であると同時に甘美なものでもあった。それぞれカップルがもつれるようにして、スナックを出た。
酒を飲まなかった益雄が車を運転した。バックシートの光次と知恵は、人目もはばからず抱き合った。酔った知恵は大胆だった。胸をはだけて、光次に吸わせた。そうしながら光次の手を良分のスカートの下に導いた。
光次は下着を脱がせようとし、知恵はそれに協力するように腰を浮かせた。車は潮の香りのする公園で止まった。車で愛を交わすのに絶好の場所として、東京の新名所でもあった。
「あんたたち、ちょっと遠慮してくれなか」
シートには丸まった下着が置かれ、知由は窮屈そうなタイトスカートを、まさに脱ごうとしていた。麻子は益雄を促して、車を出た。芝生の生えた木陰には、車を離れたアベックが思い思いに戯れていた。
麻子たちは、車の見える場所で抱き合った。手を伸ばせば届くところでは、男が上になった男女が、あやしくうごめいていた。麻子は異常に高ぶっていた。野外でのファックが初めてのこともあるが、やはり車中でのことが刺激になった。
自分の目の前で、光次が自分以外の女と戯れるのを見るのは刺激的であった。すでに下半身をあらわにしていた知恵は、いまごろは全裸になって、重なっているはずである。
麻子は益雄の腕の中で裸になった。。
「ねえ、して……」「少しは楽しませろよ」「いいから、して」
近くでは女が泣いていた。本当に泣いているのか、歓喜の声なのかわからなかったが、忍ぶような女の声は、麻子には刺激的だった。麻子が益雄の上になった。そしてコックを挟むと、上体を揺らせながら、肩にかかっていたブラウスを脱ぎ捨てて全裸になった。
車に戻ったとき、光次のヒザの上で知恵が踊っていた「あッあ、いッ、いいッ、光次さんたまんない、はああ~~ッ」
麻子は助手席にではなく、後部座席に座ると、二人の間に割って入るようにして光次を抱いた。
「光次……」益雄は車を出した。
愛だけでは渇く体が我慢できない!・・
完
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